iPhoneが、2023年のスマートフォン市場のトップになったそうだ。IDCの発表によれば、これまでのトップのSamsungも含めて、XiaomiやOPPOの上位ブランドなども全て売り上げが減少し、iPhoneのみが前年比でプラスの成長した。Samsungがスマートフォン市場のトップになった。2010年のことで、その地位をを明け渡すのは13年ぶりのことだ。
AppleのiPhoneは2023年の市場シェアが20.1%になり、トップに立った。2022年から2023年までの出荷台数の成長率は3.7%。2位に陥落したSamsungはシェアが19.4% 、2022年から2023年はマイナス13.6%と大きな落ち込みとなった。3位のXiaomiは2023年の市場シェアが12.5%、やはり2022年から2023年はマイナスの4.7%となっている。
なぜiPhoneだけがプラスの成長を遂げたのであろうか?まず、2023年スマートフォンの市場は5%縮小して12億台にとどまると見込まれている。この12億台はこの10年で最低水準にある。2017年には、ほぼ16億台を記録したが、25%程度も縮小した。
このIDCのデータは出荷台数ベースで出荷金額ベースの数字を探してみたが見つからなかった。金額ベースで見ると、また違うシェアが見えてくるだろう。確実に言える事は、高価なiPhoneは金額ベースでの市場シェアが高いことが確実だ。
別のデータではiPhoneは、より高価な上位モデルの出荷が増えてきているようだ。上位モデルであるProシリーズのiPhone全体に占める売り上げが伸びている。iPhone 14シリーズ全体に占めるiPhone 14 Proのシェアは61%であったが、2023年第4四半期のiPhone 15シリーズのに占めるiPhone 15 Proシリーズのシェアは65%に増加したと言う。
iPhoneだけがプラスの成長を遂げた理由に話を戻す。まず、市場全体の縮小については様々な要因が考えられる。マクロ経済の問題や市場の飽和などだ。だが、縮小する市場でiPhoneについては根強いファンが買い替え需要で買っていることが考えられる。選挙で例えれば投票率が下がったが、強い支持者に支えられている政党が得票率を伸ばすようなことだろうか。
もう一つは、スマートフォンがより金融取引などの様々な目的に使われており、顔認証や指紋スキャンなどの生体認証を必要とするユーザが増えているため、より上位モデルのスマートフォンが支持されるようになってきていることも考えられる。そこにiPhoneの上位モデルの売上が拡大している理由はあるのではないかと思われる。この2つが、iPhoneがトップに立った理由と思われる。
ただし、先週あったニュースで言えば、中国では2024年の最初の週にiPhoneの販売が30%減少したそうだ。この状況に対応するために、Appleは、iPhoneは中国での価格を下げたと報道されていた。中国市場は中国メーカーのXiaomiやOPPO、そして、かつては強力なブランドであったHuaweiと激しい競争を行っている。ここでの売り上げが世界の市場シェアに大きな影響を与えることが確実で、Appleも値下げので、対抗を行っているであろう。
スマートフォンの市場は既に飽和状態にあり、しかも特に新しい技術革新が生まれているわけではない。ずっとiPhoneを買い替え続けているが、サイズが大きくなっただけで、カメラの機能を除けば。特に新しい機能は無い。とは言うものの、コミュニケーションや銀行口座管理、振込、投資、新幹線や飛行機の予約も含めてなくてはならない存在になっている。だから、今後もスマートフォンを使い続けるしかない。さらにAppleの他の製品を使っているので、MacやiPadとの連携も考えると、Androidを選択すると言うこともない。だから、今後もiPhoneを続けることになるのだろう。メガネ型でも何でも良いのだが、ウェアラブルな手に持たなくて良いようなものが早く登場しないものだろうか。先日発表されたバッチ型のHumaneのAi Pinはディスプレイが無いので選択肢にならなそうだ。