ChatGPTに検索機能

by Shogo

OpenAIが、ChatGPTにweb検索の新機能を追加した。この新機能により、ChatGPTはリアルタイムでインターネット上の情報にアクセスし、ユーザーの質問に対してより正確で最新の回答を提供できるようになる。これで本格的にGoogle検索の競合となる。GoogleのGeminiの力不足を考えると、いよいよGoogleに赤信号か。

ChatGPTの検索機能

ChatGPTの検索機能は、最新のスポーツ結果、株価、ニュース、天気予報といったリアルタイムの情報を取得できるように設計されている。この新機能により、従来の質問応答に加え、実際にウェブから情報を収集して回答できるようになり、ユーザーは常に最新の情報にアクセスできるようになる。

残念なのは、ChatGPT Plusなどの有料課金ユーザーのみしか使えないことだ。課金ユーザーは、この機能を利用して質問をすると自動的に検索が実行され、関連するウェブサイトのリンクと共に回答が提供されるようだ。また、ユーザーが任意で検索機能を開始できるボタンも用意されており、手動での検索も可能だという。これにより、ユーザーは、Perpexityのように検索エンジンとしても使うことがが可能になる。

技術的な背景

この検索機能は、OpenAIが開発した高度なGPT-4oモデルをベースにしており、最新の生成データを使用して調整されているそうだ。また、第三者の検索プロバイダーやパートナーコンテンツも組み合わせることで、質の高い情報を迅速に提供することが可能になっている。具体的なパートナーには、The Associated PressやReutersなどの大手ニュース機関が含まれており、信頼性の高い情報源と提携することで、情報の精度を確保しているようだ。今のOpenAIの勢いを考えると、このパートナーは増えてきそうだ。

さらに、CEOのSam Altmanによれば、この検索機能は従来の検索エンジンと異なり、ユーザーが自然な対話の中で検索を行うことを意識して設計されているのだそうだ。これは、Googleのキーワードでの検索と違って、自然な会話で検索できるといういうことだろう。これは、特に複雑な質問や詳細なリサーチが必要な場合に効果的だろう。将来的には、ユーザーの検索に応じて動的にウェブページを生成する機能の導入も視野に入れているそうだ。

競合への影響

この新機能は、検索エンジン市場の競争をさらに激化させる。ChatGPTが登場した2022年11月以降、GoogleやMicrosoft Bingなどの既存の検索エンジンに対する代替手段として注目されていきた。だが、これまではChatGPTは、最新の情報に単体ではアクセスできなかったことから、真の競合とはなっていなかった。

今後は、ChatGPTの検索機能は、ユーザーがGoogleなどの検索エンジンにアクセスする必要を減らす可能性がある。従来の検索エンジンと異なり、ChatGPTは単に情報を提供するだけでなく、質問内容に合わせて要約や解釈を行い、より具体的な回答を生成する。これにより、ユーザーが直接情報を得るまでのステップが短縮され、利便性が向上する。実際に、個人的にもPerplexityで検索する事が増えている。

一方で、こうしたAIチャットボットは「ハルシネーション」と呼ばれる誤情報の生成リスクもある。そのため、OpenAIは信頼性の高いパートナーと提携し、情報の正確性を確保する取り組みを進めているのだろう。AIに単純に任せて検索すれば、ネット上のゴミ情報に影響される可能性もあるからだ。

 GoogleやMicrosoftへの影響

ChatGPTの検索機能の導入は、GoogleやMicrosoftにとって脅威となる。すでにGoogleの親会社であるAlphabetの株価が発表後に約1%下落したという影響が出たようだ。これは市場がChatGPTの成長による検索市場への影響を意識していることを示している。Googleにとって、検索分野でのシェア喪失は大きな問題であり、特にニュースやスポーツといった分野でのリアルタイム情報提供が可能になることは、Googleに深刻な影響をもたらす。

加えて、Microsoftもまた大きな影響を受ける可能性がある。MicrosoftはOpenAIに約140億ドルもの投資を行っているが、今回の検索機能はMicrosoftのBingや同社のAIツール「Copilot」と競合する。

ただし、現時点では課金ユーザーしか検索機能が使えないために、影響は限定的だろう。問題は、今後のOpenAIのビジネスモデル次第だろう。もしOpenAIが広告モデルを取り入れて、無料ユーザーも使えるようになると、GoogleやMicrosoftにとって大きな脅威となる。

ChatGPTの検索機能は、従来のChatGPTとは異なり、最新のリアルタイム情報を提供できる点で大きな進化を遂げる。この機能の追加により、ユーザーは質問に対する迅速で正確な回答を得ることができ、従来の検索エンジンの役割が部分的に代替される可能性が生まれた。今後、OpenAIはさらに機能強化を進め、特にショッピングや旅行といった特定分野における検索精度の向上を目指しているようなので、ChatGPTの検索機能が、GoogleやMicrosoftの検索エンジンと競合していくかもしれない。

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