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「ChatGPT」が、驚異的な成長を遂げている。OpenAIは公式発表で、ChatGPTの週間アクティブユーザー数が3億人を突破したことを明らかにした。これは、10月28日に同社のCFOがBloomberg TVで公表した2億5000万人から、わずか1ヶ月強で5000万人も増加したことを意味する。
ChatGPTは、2022年11月30日に公開されて以来、その自然な会話能力と多様な用途で世界中のユーザーを惹きつけてきた。AIの代名詞と言って良いだろう。
OpenAIによると、現在では毎日10億件のメッセージがChatGPT上でやり取りされており、アメリカ国内だけでも130万人の開発者がOpenAIの技術を活用したアプリケーションを開発しているという。
この爆発的なユーザー増加の背景には、いくつかの要因が考えられるという。
- GPT-4の導入による性能向上: 今年3月にリリースされた最新の大規模言語モデル「GPT-4」の導入により、ChatGPTの会話能力は飛躍的に向上。より自然で人間らしい会話が可能になったことで、ユーザー体験が大幅に向上し、利用者増加に繋がったと考えられる。
- モバイルアプリの提供: 5月にリリースされたiOSアプリ、そして7月にリリースされたAndroidアプリにより、ChatGPTはスマートフォンから手軽に利用できるようになった。モバイルアプリの提供は、ユーザー層の拡大に大きく貢献したのだろう。スマホは誰にとっても圧倒的に身近だ。
- 企業向けサービスの拡充: OpenAIは、ChatGPTのAPIを公開し、企業が自社のサービスにChatGPTを組み込めるようにした。これにより、カスタマーサポート、コンテンツ作成、教育など、様々な分野でChatGPTの活用が進んでいる。企業による導入増加は、ChatGPTの認知度向上に一役買っていると考えられる。
OpenAIは、今後1年間でChatGPTのユーザー数を10億人にまで拡大することを目標としているのだそうだ。ずいぶん高いバーだが大丈夫だろうか。
この目標達成に向けて、新たな製品開発、データセンターの増設、Appleとのパートナーシップ強化など、様々な戦略を推進していく予定だという。
特に注目されるのは、Appleとのパートナーシップだ。Appleは、独自のAI技術開発に力を入れており、OpenAIとの連携により、iPhoneやMacなどのデバイスにChatGPTが統合され始めている。これにより、更にChatGPTの普及が加速する。
OpenAIの今後の展望
OpenAIは、ChatGPTのさらなる発展に向けて、以下の取り組みを進めていることも発表した。
- 多言語対応の強化: 現在、ChatGPTは主に英語での利用が中心だが、今後、日本語を含む様々な言語への対応を更に強化していく予定。
- 倫理的な問題への対応: AI技術の倫理的な問題についても、OpenAIは積極的に取り組んでいる。差別的な発言や偏見を含む情報の生成を防ぐための対策を強化し、責任あるAI開発を目指している。
- 教育分野への貢献: OpenAIは、ChatGPTを教育分野にも積極的に活用していく方針で、学習支援や教師の業務効率化など、教育現場におけるAIの活用が期待される。
計画をするのは簡単だが、本当にOpenAIの10億人達成するかどうか注目だ。