ChatGPT Searchが無料ユーザーにも解放された。この結果、ChatGPT SearchがGoogleの検索ビジネスに影響を与えるのでは無いかと考えている。
ChatGPT Searchは、AIモデルとWeb検索を組み合わせた新しい検索方法になる。従来の検索エンジンがキーワードに基づいて関連性の高いウェブページをリストアップするのに対し、ChatGPT Searchはユーザーの自然な質問に対して会話形式で回答そのものを提供する。これにより、ユーザーはより効率的に情報を得ることができる。Perplexityに近いものだ。
ChatGPT Searchの主な特徴
- 会話形式のインターフェース: 自然言語での質問が可能。
- 詳細な回答: 複数の情報源から情報を統合し、詳細な回答を生成。
- 情報源の明示: 回答の根拠となるウェブサイトの出典を明示。
- モバイルアプリでの地図表示: レストラン検索や地図表示などの機能も提供。
- デフォルト検索エンジンへの設定: ユーザーはChatGPTをデフォルトの検索エンジンとして設定可能。
ChatGPT SearchとGoogle検索の違いを整理すると以下のようになる。
1. 情報検索
- ChatGPT Search: 会話形式で詳細な回答を提供。情報源へのリンクも提示。
- Google検索: AI Overviewで簡潔な要約を提供。従来の検索結果リストも表示。これは、すでに実用されているが、これまでのGoogle検索のリンクのリスト表示だけよりは直感的で分かりやすい。
ChatGPT Searchは、会話をすることで、より深い理解を求めるユーザーに適しているだろう。一方、Google検索は、迅速に情報を得たいユーザーに適している。
2. ナビゲーション検索
- ChatGPT Search: 目的のウェブサイトへの直接リンクと簡単な説明を提供。
- Google検索: 目的のウェブサイトへのリンクに加え、関連するウェブページやFAQなども表示。
どちらも目的のウェブサイトにたどり着くという点では有効だが、Google検索はより多くの関連情報を提供する。
3. 製品検索
- ChatGPT Search: 製品に関する質問に対し、多角的な回答を提供。比較表の作成も可能。
- Google検索: AI Overviewで製品の概要を提供。動画やFAQなども表示。
ChatGPT Searchは、製品の比較表を作成できることで比較検討に役立つ。Google検索は、動画や画像を使って、より多くのビジュアル情報やユーザーレビューを提供。
4. 予約・購入検索
- ChatGPT Search: 予約や購入の手順を説明。関連サイトへのリンクも提供。ただし、取引の完了は不可能。
- Google検索: 予約や購入を検索結果から直接行うことが可能。
Google検索は、トランザクションの完了までをサポートする点で優位。
上記の比較から、ChatGPT Searchは、従来の検索エンジンとは異なるアプローチで情報を提供している。これは、Googleの検索ビジネスに影響を与える可能性があるだろう。
これから起こることを整理すると以下のようなことだ。
- 検索行動の変化: ユーザーはキーワード検索だけでなく、自然言語での質問を通じて情報を得るようになる。
- 検索エンジンの選択: ユーザーは情報の内容や検索の目的に応じて、ChatGPT SearchとGoogle検索を使い分けるようになる。
- 広告ビジネスへの影響: ChatGPT Searchは広告を表示しないため、Googleの広告ビジネスに影響を与える。
広告ビジネスで成り立っているGoogleは、ChatGPT Searchの台頭に対して対応を検討しているだろう。GoogleはAI技術の導入を加速させ、検索体験の向上を図るのは確実だし、すでに進めている。しかし、難しいのだが、そこに広告をどのように表示するかを考えなければいけない。Perlexityのようなスポンサー検索なども考えているかもしれない。
ともかく、ChatGPT Searchの無料ユーザー解放は、検索体験に大きな変革をもたらすだろう。Googleはこれに対抗するため、どのような対策を取るか注目される。