2025年版「世界幸福度報告書」によると、日本は55位にランクしている。そのポイントは6.147だ。G7諸国の中で日本が最も低い幸福度だ。トップのフィンランドは8年連続で最も幸福な国とされており、そのスコアは7.736 。日本のランキングは、首位のフィンランドと比較すると大きな差がある。
過去の報告書と比較すると、2023年の日本のランキングは47位でスコアは6.13 だったが、 下降傾向にある。一方、同じ東アジア地域では、台湾が前年の31位から27位へと順位を上げている のに対し、韓国は2024年の52位から2025年には58位へと順位を下げている 。
世界幸福度報告書では、国ごとの生活評価の違いを説明するために、主に6つの要因が用いられている。それは、一人当たりのGDP、社会的支援、健康寿命、人生における選択の自由、寛容さ、そして汚職の認識だ 。これらの要因は、ギャラップ世界調査のデータに基づいて分析されている 。幸福度のランキングは、回答者が自身の生活を0から10の尺度で評価する「キャントリル尺度」と呼ばれる質問への回答に基づいている 。
2025年版の報告書は「ケアと分かち合い」をテーマとしているが、日本固有の幸福度に影響を与える要因に関する具体的な情報は記述されていない 。しかし、過去の報告書や分析からは、いくつかの示唆が得られる。2022年の報告書を参照した分析では、日本は「人生における選択の自由」と「寛容さ」のスコアが特に低い一方、「一人当たりのGDP」、「社会的支援」、「健康寿命」は上位の国々と大きな差がないと指摘している。差がないどころか、日本はこれらの指数では世界の上位にある。
だから、 日本の社会的な幸福度が経済的な幸福度と比較して低いことが示唆されている。さらに、 男性の幸福度には配偶者との同居や就業が重要である一方、女性の幸福度には家族の介護が負の影響を与える可能性を示唆しており、幸福度に関連する要因が性別によって異なる可能性も指摘されている。 つまり、日本は社会的な幸福度が、かなり低いことが、全体のランキングに影響を与えているようだ。
この調査の長期的な視点で見ると、 日本の生活満足度は1992年頃までGDPの成長とともに上昇したが、その後は経済成長の鈍化とともに低下したと分析されている。 戦後の日本の生活水準は向上したものの、幸福度は顕著には上昇していない。今でもGDPの数値では上位にあるものの、日本の幸福度は、それ以外の要因で低下している。
G7諸国と比較すると、2025年のG7諸国の中で、カナダが最も幸福度が高く、次いでドイツ、イギリス、アメリカ、フランス、イタリアと続き、日本が最も低い。これは、経済的に豊かな先進民主主義国の中でも、日本の幸福度が相対的に低いことを示している。
経済成長だけでなく国民総幸福量を重視するブータンとの比較を考えても、国が重視する価値観の違いが幸福度に影響を与える可能性をある。 日本は経済的な幸福度は高いものの、主観的な幸福度は他の先進国と比較して遥かに低い。
文化的な背景が類似する国との比較として、韓国と台湾が挙げらる。 2025年の幸福度ランキングでは、台湾が27位と日本(55位)や韓国(58位)よりも大幅に上位にランクインしている。 2024年のデータでも、台湾(31位)は日本(51位)と韓国(52位)を上回っている。若い世代の幸福度ランキング でも、台湾(25位)は日本(51位)と韓国(52位)よりも高い順位にある。
これらの比較から、地理的に近く、文化的な共通点も持つこれらの国々でも、幸福度には顕著な違いが見られる。台湾が高い幸福度を維持している要因について分析がされていないし、個人的にも理由はわからない。
このように、世界幸福度報告書2025年版の分析によると、日本の幸福度ランキングは世界的に見て中程度であり、特にG7諸国の中では最も低い。また、過去数年間の推移を見ると、わずかに下降傾向にある。あまり良くない傾向だ。
報告書が示す幸福の主要な要因に基づくと、日本は経済的な豊かさや健康寿命では比較的高い水準にあるものの、「人生における選択の自由」や「寛容さ」といった点で課題があると考えられる。2025年版の報告書のテーマである「ケアと分かち合い」は、社会的なつながりや他者への親切さが幸福に重要であることを示唆しており、日本の社会構造におけるこれらの要素の役割については私たちは、もう少し考えたほうが良いのだろう。