iPhoneユーザーの多くが個人情報収集に同意

by Shogo

iPhoneのiOS 14.5が4月26日にリリースされ、アプリによる個人情報収集について、アプリごとに拒否かどうかを選べるようになった。

これについてアドエイジ・ハリス調査が、アメリカ国内で、18歳以上の1061人の調査を行った。この調査が行われた4月30日から5月3日にまでには、アメリカでは既にiPhoneユーザの67%は、新しいシステムのアップデートを行っていると言うことだ。

この調査によれば、iOS 14.5のアップデートを行った人は、それ以前のiOSを使っている人に比べて、アプリのデータ収集に許可する人が多かった。最新14.5の人はFacebookにiPhoneのデータを共有することを許可した人は47%で、それ以前のシステムの19%よりはるかに多い。

TikTokとのデートデータ共有については、14.5のシステム利用者は36%で、それ以前のシステムの利用者の21%よりも、こちらも最新システム利用者の方が、データ共有をより多くが許可している。

オンラインショッピングに関して、NIKEのアプリ利用では、最新システム利用者が、44%が許可しているのに対して、以前のシステム利用者は31%が許可。こちらも、やはり最新の14.5利用者の方が、許可する率が多いようだ

このアプリのデータ収集の許可あるいは拒否について、ポップアップが出るが、このポップアップについては一般的に評判が悪い。全体の63%は、ポップアップに対して否定的だ。他の広告のポップアップと違い、このアプリによるポップアップは、プライバシー保護のための情報収集についての許可・拒否を選択するものなので、もう少し肯定的な意見が多いかと思うが、そうでもないようだ。

ただし、評価している人は、iPhoneユーザに多い。iPhoneユーザの43%は、データ収集のための許可・不許可のポップアップについて評価している。一方iPhoneユーザ以外では、37%しか評価していない。あまり大きな差ではないが、iPhoneユーザの方がプライバシーの保護のためのこの施策について好意的のようだ。

不思議なのは、iPhoneのこの個人情報保護のためのポップアップに好意的にもかかわらず、それでも多くの人がデータ収集を許可することだ。

年齢別のデータでは、ジェネレーションYやミレニアルと呼ばれる1980年代初めから1990年代中盤までに生まれた世代では、77%がポップアップを押し付けがましいと感じていて、それより若いジェネレーションZと言われる1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代の61%よりもはるかに高い。しかし、今回のiOSのデータ共有の許可・拒否のポップアップについては、ジェネレーションY の55%が好意的だ。これは若いジェネレーションZの40%よりもはるかに高い。

そして、ジェネレーションYは、42%がアプリによる個人情報収集について調査したことがあると答えており、これはジェネレーションゼットZの31% やアメリカの成人全体の29%よりもはるかに高く、個人情報保護に関して関心が高いことがわかる。

また、インターネットでのデータ収集については多くの人が関心を持っており、70%のアメリカの成人は個人をターゲットとした、同じ広告に追いかけられるような、インターネットの広告について不安感を感じている。ただ、この不安感は、行動には現れていない。それは、アメリカの成人の32%しかアプリによるデータ収集に拒否の行動を起こしていないからだ。

個人情報収集に、やや無関心な世代であるジェネレーションZでは. 53%しか、個人をターゲットとした広告について不安を感じていない。

若い世代ほど、個人ターゲットのインターネット広告に慣れているのか、あるいは広告そのものを無視する術を知っているのだろうか。関心が低いと言うのは、自分には関係ないものと思っているというのが私の推測だ。

それから、この調査で、個人情報収集に不安を感じも感じていても、データ収集を拒否するための行動を起こしている人の比率が低いと言う結果になっているのは、切実にはそう考えていないのか、あるいは単に方法がわからないのか。今回のiPhoneの許可・拒否のポップアップでは、明確に方法が提示されているので、簡単だが、多くの人が許可を選択していると言うことに驚く。

この結果を見る限り、インターネット広告業界の人々の不安は考えすぎだったと言える。今後も多くの人が、アプリと個人情報の共有を許可していくのであれば、インターネット広告のターゲティングの精度は、全く失われることがない。ただ、これはiOS 14.5がリリースされて1週間以内の調査データであるので、これが、このままで変わらないかどうかは現時点では何とも言えない。

また、この調査結果に次いてm日本でも同じことが言えるかどうかは分からない。

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