新聞などにあまり出てこないが、NFTの市場は、ますます過熱しているようだ。8月23日には、岩の画像のNFTが1億4200万円で販売された。岩の画像といっても、漫画で描いたような簡単な岩の絵だ。
このNFTを販売しているEarthRockのサイトでは、似たような岩の漫画の絵の画像が並んでいる。少し色が違うだけで、すべて、同じに見える。これに値段をつけて市場が成立すると言うのは個人的にはほとんど狂気にしか見えない。
このNFTの投資家は、Twitterをベースに情報交換をし、その莫大な投資や値上がりの話を共有している。ここで話が盛り上がり、人気のNFTには高値がついてゆく構造のようだ。
少し前にデジタルペンギンの絵の高額取引が話題になっていた。デジタルペンギンの絵は、まだクリエイティビティーが入っているので、理解できないこともないが、色が違うだけの全く同じ岩の画像が、それぞれ莫大な金額で取引されると言うのは、もはや理解を超えている。
ある24歳の若者は、漫画の恐竜の絵を18分間に10,000件売り、合計金額が200万ドルだったという話も出ている。
こうなってくるとNFTと言うだけで値がつくことになっているようだ。これはまるで17世紀のオランダのチューリップの投資の話のように聞こえる。明らかに価値がないものに対して、人々の投機心だけで価格がつり上がる。これがどこまでいくのか。
少し前に取引が話題になった、Twitter創業者の最初のTweetとか、wwwのオリジナルのソースコードに高い値段がつくと言うのは、歴史的価値を考えるとまだわかる。しかし、漫画で描いたような岩や恐竜の絵に高い値段がつくと言うのはもはや別の話となっている。個人的にはお金もないが、あってもしない。
ブロックチェーンの技術は、様々な形で今後も使われることは確実だ。多分、多くの社会システムを変えてゆくだろう。この NFTのクレイジーな投資の中で、ブロックチェーン技術のイメージが悪くならないかどうか心配している。