自由学園明日館

by Shogo

友人と高田馬場で会うことになったので、早く出かけてその前に池袋の自由学園明日館まで出かけた。多分前回行ってから10年が経過しているはずだ。当然、記憶通りの建物がそこにある。変わっていることといえば、入館料に含まれる喫茶の提供場所が、1階から2階に変更になっていたくらいだ。

今回、久しぶりに明日館に行こうと思ったのは、昨年電通が旧林邸のある厚生施設の八星苑を不動産会社に売却したと言うニュースを読んだからだ。購入した会社も、まさかフランク・ロイド・ライト設計の建物をただ壊したりはしないと思うが、入り口を入ってすぐの、全体の敷地の有効活用からは邪魔な場所にあるため、移設されるのかもしれないと思っている。まあ移設されるのであれば、それはそれでありがたい話だ。

旧林邸には、一度だけ入ったことがある。特別に内部を見学させてもらったのだ。しかしその時は、いつでも機会があると思っていたので、内部や外部の写真などを撮らなかったことが悔やまれる。ライト特有のプレーイースタイルいるといわれるが、内部に入ると、何度も改築がされてきたためと思われるが完全な日本家屋で、ライトらしさはあまり感じなかった。

フランク・ロイド・ライト設計の建物は、シカゴ近郊のオーク・パークやアリゾナでたくさん見たことがある。しかしながら、やはりハイライトはピッツバーグ郊外にある落水荘だろう。その建物の立地と壮大さには驚かされたものだ。いつかもう一度行ってみたい場所の一つだ。そのような建物と比べると、旧林邸は作品として現存とどこまで言えるのだろうか。それでも、解体されないことを望むのみだ。アメリカ以外にある数少ない作品の一つであることに変わりはない。

フランク・ロイド・ライト設計の建物は旧林邸も含めて4作品が日本に残されている。その1つが、池袋の自由学園明日館だ。ここが最も気軽に行けるフランク・ロイド・ライトの作品と言うことになる。そして、東京にある旧林邸は一般公開されていない。あとの2つは、東京からは遠く、明治村の帝国ホテルと芦屋市のヨドコウ迎賓館だ。このどちらも公開されているので訪問は可能だが、まだ行っていない。

天気も良く、池袋から自由学園までカメラを持って散歩してきた。桜の季節にはまだ早いが、運命が分からず、原型をどこまで留めているのかわからない旧林邸と違って、自由学園明日館はフランク・ロイド・ライトの作品として完全に保存された素晴らしい建物と言うことを再認識した。この保存のために努力してきた自由学園やその関係者に感謝したくなるような、良い時間だった。

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