BTスポーツ売却決着

by Shogo

昨年から話題のBTスポーツの売却の話題に決着がついた。話題になっていたのは、BTスポーツが、英プレミアリーグの放送権を持っているからだ。

メディアの環境は、有料無料のテレビ放送、OTT定額映像配信サービス各社が、世界各国で激しい視聴者争いをしている。その中で、コンテンツとしてスポーツの価値がさらに高まった。このスポーツの放送権を中心として、イギリスとアイルランドでは、巨大なスポーツ放送会社が誕生する。取引の完了は年内と予想されている。

英通信会社BTの有料テレビスポーツチャンネルのBTスポーツを、誕生したばかりのDiscovery Warner Bros.との合弁会社とする。Discovery Warner Bros.のユーロスポーツとBTスポーツが合併してできる新会社は、人気の高いスポーツのコンテンツを保有する巨大スポーツ放送会社となる。新会社は、BTの資本は残るものの、Discovery Warner Bros.の子会社化される。しかし当面はユーロスポーツとBTスポーツのブランドは残り、別々のブランドで事業を行うが近いうちに、統合されたブランドとなると発表されている。

新会社が、扱うことになるスポーツは以下の通り。

イギリスプレミアリーグ

UEFAチャンピオンズリーグ

UEFAヨーロッパリーグ

オリンピック

テニス全豪オープン、全仏オープン

ツールドフランス及びその他自転車競技

プレミアシップ・ラグビー

ウィンタースポーツのWORLD CUP

もちろんこの放送権はイギリスとアイルランドのことでと地域には影響しない。しかしヨーロッパの中では圧倒的なラインナップを持つ放送局として、他の地域でも大きな影響力を持ち始める事が予想される。

Discovery Warner Bros.は、4月にDiscoveryがAT&Tから4,300億ドルでWarner Bros.を買収して誕生したばかりだ。

BTスポーツの買収をめぐっては、昨年よりDAZNが有力と考えられてきた。DAZNはBTスポーツの持つプレミアリーグの放送権獲得目的で、BTスポーツ買収に8億ドル支払う用意があると報道されていた。しかし最終的にはBTは、BT TVの顧客にコンテンツを提供することを考えて、Discovery Warner Bros.との合弁の道を選んだ。これはDAZNにとっては、またしてもプレミアリーグを逃す結果になってしまった。今後のヨーロッパにおけるDAZNの戦略に大きな影響が出るであろう。

BTとDiscovery Warner Bros.の取引の金額についても報道されており、それによれば、BTは今回の取引で、今後3年間にわたって1億1360万ドルを受け取ると言う。さらに新会社のパフォーマンスによっては、最大6億6000万ドルを受け取ることができるようだ。またDiscovery Warner Bros.は、BTが新会社に持つ持ち分を買い取るオプションを持つという。ここだけ見ると、DAZNが支払ったかもしれない8億ドルと単純には比べられない。Discovery Warner Bros.が最終的に買い取る際の価格が報道されていないためだ。

しかしBTとしては、完全にBTスポーツを売り渡すのではなく、今後もDiscovery Warner Bros.とコンテンツの提供の契約を結びBT TVの顧客へのサービスを優先して考えたと言うことで、当面の金銭的な問題ではなかったのだろう。

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