アメリカでは電気自動車が、引き続き売れているようだ。4月から6月で、販売された新車の5.6%が電気自動車だと言う。この数字は昨年に比べて倍増している。半導体のなどの部品の供給不足で、車の製造は落ち込んでいるために全体的な販売台数は20%の減少だが、その中で電気自動車の人気は変わらないようだ。
バイデン政権も、80km毎に充電ステーションを設ける規制法にサインをした。電気自動車への減税は議会の反対で実現していないが、他の各国と同様に電気自動車重視は続く。それは、かつての自動車製造大国の復権にも繋がる国家戦略でもあるだろう。
テスラ、フォード、フォルクスワーゲンなどが、電気自動車を販売しているが、部品不足のために、製造が追いついていないと言うことだ。テスラは、昨年同じ時期に31万台販売しているが、今年は、25.4万台しか納品できてないと言う。売り上げとしては26%伸びているが、部品が手に入らないと言う事のようだ。
電気自動車と言えば最も重要な部品はバッテリーだ。パナソニックはバッテリー事業に5,500億円投じてテスラ向けのバッテリー製造に2番目の工場の建設を始めると今週読んだ。
バッテリーの市場は最も競争の激しい分野だ。中国や韓国のバッテリーメーカーは生産能力を拡充しつつある。さらに新しい次世代のバッテリーもアメリカで開発が進んでいると言う。今朝読んだ記事によれば、ベンチャーのQuantumScape社は、新しいセラミック系の素材を作ったバッテリーを開発している。現在のバッテリーは、グラファイトを素材として作られているそうだ。いくつかのベンチャー企業は、このグラファイトをシリコンに置き換えたものの製造を開始をしており、シリコンははるかにエネルギー効率が良いという。しかしQuantumScape社のセラミック系のバッテリーはさらにそれを上回る。
この技術を使ったバッテリーは、電池のプラスとマイナスの間で電気を運ぶ液体電解質を固体材料で代用することが可能になり、今までのバッテリーよりはるかに高出力になる。
QuantumScape社は、実験段階を終え、新たに組み立て工場を建設した。その広さはサッカー場4面分だと言う。
このQuantumScape社だけではなく、今後のエネルギーの中心になるバッテリーには様々な企業が取り組んでいる。パナソニックは、サンヨーの時代からバッテリーについては先行した技術を持っていると思われるが、QuantumScape社のようなベンチャー企業が新しい技術を開発しているので、それに打ち勝つ次世代のバッテリーの研究も行っているだろうか。