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今年は週末が雨のことが多い気がする。同様に週末の旅行も多い。雨の中を飛び立った飛行機はずっと雲の上を飛んでいたが着陸直前に陸地が見えた。 川の河口と平野の向こうに雲の切れ目が見えて天使の階段が見えていたが、写真に撮ると良く分からない。人間の眼と脳は選択的に印象的な光景を見せてくれるが、慌てて取り出したカメラに映ったのは、平凡ないつもの飛行機からの景色だ。あの煌めく光は写真には写っていない、
一つの原因は眼のダイナミックレンジもあるが、もう一つは眼の焦点距離だ。脳と眼の力で広角にも望遠にも自由に構図を変えるこおができるから印象的な景色を見ることができる。普段使っているデジカメは35mmの固定のレンズなので当然あの印象的な光を中心には捉えられない。カメラを取り出すまでに飛行機はかなりの距離を飛んでしまったので、景色が変わったということもあるが、人間の柔軟な知覚とは同じようにはいかない。
それでも、写真で多くの人の作品を見ても同じような作品と感じることが少ないのは、客観的にしか映らないはずの写真を主観的な作品にする「撮る」という行為の方が重要ということか。飛行機から撮った写真は誰が撮ってもあまり変わらないというように想像できるが、これを作品にできるのだろうか。
天気予報によれば今週前半は日が差すようだが、今日も青空で太陽の光に溢れた明るい朝だ。