昔のこと

by Shogo

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友人に会うために渋谷まで出かけたのだが、天気予報では雨になるということだったので自転車はやめて井の頭線に乗った。週末の井の頭線はいつも込んでいて驚くことが多いが、週末にもみんな渋谷に行くらしい。

指定された喫茶店は公園通りでパルコより坂の上の方にあった。公園通りを歩きながら昔のことを思い出していた。今週は、なぜか昔のことを思い出すモードになっているようだ。その昔、公園通りはまだ静かな通りで、パルコはできていても、まだ店は少なかった。よく行ったのは、東武ホテルの向かいにあった「時間割」という店で裏に庭がある小さな店だった。そこに入ったのは、何の歌か忘れたが何か歌の歌詞に出てきたからだと思う。その後、その店はビルになってその地下に移っていた。そして渋谷から足が遠のいたりしているうちになくなっていた。

待ち合わせに指定された店は「時間割」から2軒ほど通りの下方向のビルにある店で、自然の木でできた内装と静かな音楽で居心地が良かった。友人は昨年は仕事で月の半分は中東に行く生活をしていたということで久しぶりに話ができた。私にも彼にも時間は過ぎているようだ。

思い出したのはまだあって、 パルコPart3はなくなっているがその向かいあたりにあった「モンキーパンチ」という店。100%の自信はないが確かそんな名前だった。今で言えばカフェというのだろうか、ウイスキーを飲んでつまみを食べるようなその頃よくあったような店だ。そこになぜ行ったかは思い出せないが、兄のように親しくしていた親類に連れていってもらったような気がする。その店にはよく行っていたが、いつの頃か無くなっていて今は「ユナイテッド・アロウズ」の大きなビルになっている。

さらに友人がカメラを見に行くというので付き合って 明治通りを歩いていた時に、もう一軒の店も思い出した。全線座の並びの地下にあった「グランドファーザー」という店でロックを聞かせるバーで、やはり同じ親類に連れて行ってもらって、その後一人でもよく行っていた。

住んでいた場所からも歩いて10分程度ということもあり通っていたが、転勤したり引っ越したりで足が遠のいた。探してみたがすべて大きな新しいビルになっていて見つけられなかったが、地下に下りる階段が似ている場所があったが、別の店だった。多分、今世紀に入っていっていないので知らない間に閉店したようだった。

ロックとくればジャズだが、恋文横丁にあったジャズの店は名前に記憶が無いがModernとかだった気がする。井の頭線のガードをくぐって246方向の飲み屋街にInk Spotという店も有ったがここは早くに無くなった。

学生時代は新宿と池袋が棲息圏だったが、その親類と会ったりするうちに渋谷によく行くようになったと思う。思えば70年代とか80年代は西武の時代で百貨店が文化の担い手のようになっている時代だった。渋谷には西武劇場があり池袋には西武美術館があった。どちらにもよく出かけていた。 西武文化どっぷりの時代だった。当時の広告まで思い出せるくらいだ。

卒業して渋谷の徒歩圏内に引っ越したこともあり、ますます渋谷に通うようになった。渋谷は今にして思えば底は浅いのかもしれないが、何でも一通り起こっているような街だった。安部公房が劇団を持って自分の作品を舞台化していたが、これも渋谷が本拠地だった。

久しぶりに公園通りとか歩いていると、チェーン店の店ばかりで当時の渋谷からは遠い、日本のどこにでもあるような街のひとつになった気がした。

連休も終了して、今日から仕事。

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