ブレードランナーの新作の制作が発表された。重要なのは監督が同じリドリー・スコットということ。ハリソン・フォードは出演しないということだが、年齢も考えるとこれは大したことではない。監督がリドリー・スコットというだけで見てみたい。
内容はリメイクでないということだけ分かっていて、「ブレイド・ランナー」の前の話か後の話か、それともまったく関係ないかも分からないそうだ。これもどうでも良い話で、あの世界観が描かれていれば文句は無い。
「ブレイド・ランナー」には現時点で5つのバージョンがあり、数年前にDVDボックスで購入してすべて見ているが、やはり最後の変なエンディアングが無いものが良い。あのシーンを最後に見ると緊張感がすっかり萎えてしまう。あれは、「シャイニング」の冒頭シーン用に撮られた映像を流用してハッピーエンディングを作ったそうだ。というか、ハッピーエンディングを作るためにあのナレーションを入れる必要があり、当たり障りの無い映像を入れただけだ。「ブレイド・ランナー」のあの世界に緑の山が出てくると違和感が激しい。
日本で公開された時は、そのバージョンだったし、ビデオで発売された時も同じだった。その時は違和感は感じても、そんなものかと思っていたが、あれはやっぱり無い方が良い。日本で劇場公開された時に、今はもうない松竹本社の劇場で見たのが自慢の一つだが、その時は公開されすぐの平日の夜だったが、あの広い劇場に1ダース少ししか人が入っていなかった。たしか1週間程度で打ち切りになったと記憶している。
「ブレイド・ランナー」はビデオが発売されて人気が出た映画の、最も初期の例だと思うが、あの特撮や細かいこだわりは劇場で一度見ただけでは分かりにくい。冒頭の目のシーンやLAの風景、使われる車などのデザインやレトロ・フューチャーのセットはビデオで止めて見て初めて理解できたものだった。
あの映画は、未来のフィリップ・マーロウをフィリップ・K・ディックの世界に登場させたもので、しかも主役は、フィリップ・マーロウ役のデッカードではなく、レプリカントのロイだと思うが、仮に新作にデッカードとロイが出るとして配役を考えてみた。若き日のと考えたが、よく考えるとどちらもレプリカントだから、若き日は存在しないのだった。
それに、デッカードとロイが出るかどうかも分からない。でもジェイク・ギレンホールとか出たらうれしいかも。彼も少し年を取って、マーロウ的な世界が似合うようになったと思う。
今日は午後から出かけるのだが、午前中は時間があるので久しぶりにファイナル・カット版でも見てみようか。