Instagramユーザーが、20億人に

by Shogo

FacebookとInstagramの親会社のMetaは、オンライン広告が、ほぼ唯一の収益源である。iPhoneのプライバシーポリシー変更やSafariの第三者クッキーによるトラッキングが制限されたことを受けて、そのオンライン広告は、大きな打撃を受けている。そこに、景気の減速によるオンライン広告の低調が、追い打ちをかける形になった。Metaが今週発表した第3四半期の売上高は、前年同期比の290億から4%減少し、277億ドルになり、純利益は44億ドルで、前年同期比52%減となっている。

厳しい状況は、Metaに限らず、インフレと金利上昇の中で、GoogleやMicrosoftなどのテクノロジー企業は、各社共に芳しくない決算を発表している。

中でもMetaは、苦しい状況にある。やはりiPhoneのプライバシーポリシーの変更が大きな要因だ。その状況で、1年前に発表した、メタバースの事業の立ち上げに多額の資金を投入しているために、当面、コストが先行する形となっている。メタバースが、利益を生むようになるのか、それはいつなのか、現時点ではマーク・ザッカーバーグを含めて誰も見えてないのではないだろうか。

予算の発表の中で、マーク・ザッカーバーグは、傘下のサービスをユーザ数を発表した。多分それが唯一の明るい材料だったのだろう。Instagramが、月間アクティブユーザ数で世界で20億人を超えたと言うことだ。祖業であるfacebookはユーザーの老齢化が進み、成長も頭打ちになっている。Instagramは、Facebookの月間アクティブユーザー数、29億6000万人に近づいている。2018年6月にInstagramの月間ユーザ数は10億人と発表された。それから4年と少しで倍増したわけだ。

この4年間の間でも、競合するソーシャルメディアとの競争は厳しい。特に若い世代をターゲットとするサービスのTikTokは脅威であろう。TikTokに対抗して、TikTokとそっくりなReelsと言う動画サービスを導入して対抗してきている。これは競合するサービスを買収するか、全く同じサービスを導入するか、Facebookの定石だ。

Reelsは、見かけ上は同じであるが、TikTokのように優れたアルゴリズムを持ち、ユーザが好みの動画を適切に提供しているのかどうかは怪しいところがあるし、TikTokのように音楽との連携も弱い。今後、どれだけTikTokと戦えるかは不透明だ。

社名変更前の会社としてのFacebookは、2012年にInstagramを買収し、2014年にはWhatsAppを買収した。当時は、競合つぶしだと噂されたものだ。しかし、サービスとしてのFacebookの成長に陰りが見える中で、事業のポートフォリオとしては、その買収は成功であったようだ。

ぱっとしない決算発表の中で、唯一明るい材料として、マーク・ザッカーバーグは、FacebookのInstagramの20億円越えを含めてWhatsAppのユーザが毎日25億人利用していることを発表した。Facebookの29億6000万にも合わせて、Metaの3つのサービスの月間利用者数は、世界で37億1000万人になっていることを強調した。確かに、その数は、世界の人口の約半分で、幼い子供や高齢者を除くと、過半数を超える人数であろう。今後の彼の問題は、メタバースでの収益モデルが確立するまで、その3つのサービスが、景気の減速などを乗り越えて、メタバース収益化のコストを負担していけるかと言うことなのだろう。

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