世界の不透明さ

by Shogo

やっと週末に。今週はやることが多くて忙しかった。おまけに週末も予定があって、ゆっくりと写真関係の本でも読みたいと思っていたが、その時間はなさそうだ。

日本シリーズはタイで、まだどちらに転ぶかよく分からない。ワールドシリーズは、もうすぐ今日の午前中に初戦が行われる。前評判ではフィラディア・フィリーズに分があるとの意見が多いようだ。

1993年にリーグ優勝決定戦で劇的にアトランタ・ブレーブスを下して、ワールドシリーズに進出したことを思い出す。家で試合を見ながら、アトランタに行く荷造りをしていた。比較的暖かいと考えた準備だったが、最後の最後にフィリーズが勝って鞄の中身を変えた。

それはさておき、週末の最大のニュースはついにイーロン・マスクがTwitterをの買収を完了したことだろう。しかし、これも日本シリーズやワールドシリーズの結末がどうなるかと同じように、まだ何がTwitterに起こるのかわかっていない。

現時点で分かっているのは、株式上場が廃止されてプライベート会社になったことだけだ。これから、彼が何をやるのか注目される。トランプ元大統領が歓迎のコメントを出しているのが嫌な気分にさせる。

Twitterはどうなるのだろうか。野球のシリーズの結末は誰もわからないが、Twitterがどうなるかは、イーロン・マスクは知っている。彼は、Twitterは人類の未来のために必要だと言う。ただ44億ドルも投資した会社は、創業以来赤字続きで、一時黒字化した期もあったが、慢性赤字会社だ。人類の未来もあるが、出資者もいるためにビジネス的な改革も必要だろう。これから、どのように経営するのだろうか。すでに発表してるように75%もの人員の削減を行えば、確かに黒字化する可能性は高い。今後、Twitterの運営に目が離せない。

結末がわからないと言うことで言えば、ウクライナも一体どうなってしまうのだろうか。侵略戦争が始まったときには、すぐにも首都キーウが陥落して、ロシアに征服されてしまうと思った。だが、ウクライナ国民の頑張りと各国の援助で、ウクライナは現時点でも持ちこたえている。というか、少し失った東部を奪還し始めている。それは、つまりこの戦争がまだまだ続くと言うことだ。

中国では習近平が3期目に入り、今後何を行うのか目が離せない。ウクライナの侵略の後は、台湾有事が多くの人の口の端に上るようになった。よくない傾向だ。今後どのように中国が台湾問題含めて行動するのか。習近平が3期目に何か実績をあげたいと言うことになり、それが台湾にならないことを祈るのみだ。

父は60年代の終わり頃に、世界の不安定要因として中国のリスクを口にしていた。当時、孤立した中国が周辺諸国への侵略を行う可能性のことを心配していたのだった。その後、改革開放を経て、近代国家になった中国は世界の仲間入りし、経済的には世界第二の大国となっている。その当時と違って、この経済的な関係を破壊するような、台湾侵略に踏み込むとは思えない。しかし、21世紀の世界は、冷戦終了後のユートピア的な世界とは、全く違う世界になっているのも事実だ。

かつてないほど軍事的に不安定な世界で、アメリカの国防省は、新たな国防の新戦略を発表したという記事を目にした。

2018年に当時のトランプ政権は、冷戦終了後の仮想敵国を明示しない戦略から一転して、中国とロシアに対する防衛を強化する戦略を発表している。

その前の2010年のオバマ政権では、核兵器削減を中心に据えて、中国とロシアと協力をして、イランや北朝鮮の核兵器の封じ込めることに主眼が置かれていた。中国やロシアはこの時点では敵国とはみなされていない。むしろパートナーだった。

しかし、今回の新たな戦略文書では、2000個の戦術核兵器で武装しているロシアと、近い将来には1000個の戦略核兵器を配備することが見込まれている中国への防衛が中心となっている。

冷戦下で核戦争の恐怖に怯えていた世界が再び戻ってきたと言う事のようだ。この新戦略では、ヨーロッパと極東では、米国は軍事力を強化することが見込まれる。

かつては、中国、ロシアの軍事的脅威が低下したことにより、日本からの米軍の段階的な削減も見込まれたが、現時点ではそれはなさそうだ。

不確実なことばかりで、世界はますます不安定だ。この3年間のパンデミックも同様だが、予想もしないことが起こる。人類は、戦争も病気も貧困も飢餓も解決して、新たな段階に進んだというように思っていたが、間違いだったようだ。ネアンデルタール人と戦っていた4万年前とあまり変わっていないのかもしれない。

日本を取り巻く状況がこのようになっている中で、政府は砂漠にバケツで砂を巻くような為替介入や、抜本的解決にならない光熱費補助のバラマキ政策と言う馬鹿な議論を行っている。中長期的な国のあり方を考えた議論をどうして行っていないのだろうか。与野党含めて一体何をしているのかよくわからない。これが現時点における、不安のもとになる最大の不透明さだ。

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