このところ、メディアを見ていても、Twitterに関するニュースはだんだん少なくなってきた。交通事故は事件だが、毎日起きて、たくさん起きていれば、ニュースにならなくなる。そのような事だろうか。
久々にTwitterをニュースで見たのは、Twitterがユーザ名を販売することを検討していると言うことだった。これは収支改善の方法として検討されているようだ。確かにユニークなユーザ名は、プロモーションの価値があるために、お金を払ってでも使いたい人がいるであろう。買収後に、イーロン・マスクは、休眠しているアカウント15億件を解放する計画を発表している。ここに、価値のあるユーザー名があるのかもしれない。
これがTwitterの現状の打開策になるかは疑問だ。Twitterの買収以来、既に従業員7,500人から75%も減らしている。それでも収益が改善しないようだ。
広告を収入源とするTwitterは、マスクの買収後に広告会社や広告主が広告を停止して、2022年11月の広告は前年比46%減の落ち込みを経験している。
主要なメディア・ホールディング会社と大手広告代理店の月次の請求額を追跡しているスタンダード・メディア・インデックスは、2022年11月の広告主のTwitterへの支払いが前年比46%減になったことを記録している。スタンダード・メディア・インデックスがカバーしているのは、すべての広告主ではないために、これは完全なデータではないが、明らかに大きな落ち込みがあった事は事実だ。
スタンダード・メディア・インデックスの他のソーシャルメディアへの広告の出稿は、Metaが-4%、 Snapchat +2% 、Pinterest +16%、TikTok+72%、Twitter-46%となっている。ここでもTikTokの好調さが伺えるし、Metaは相変わらず低空飛行だ。
Twitterが公開した2021年の第4四半期の広告売上は15億7000万ドルだった。イーロン・マスクの買収により、非上場になったために、2022年の同期の決算数字は公開されていない。
イーロン・マスクの買収後のTwitterへ広告主の警戒感は変わっていないとみられる。スタンダード・メディア・インデックスの12月の数字は現時点で公開されていないため、まだわからないが、Twitterの売上げ減少は続いていると思われる。FIFAワールドカップがあった11月は本来ならTwitterの書き入れ時だった。それが、この数字だ。
イーロン・マスクほどの資産家であっても、毎月巨額の赤字を続ける事は早く止めたいと思っていることだろう。資産の大部分を占めるテスラの株価は、この三ヶ月で50%も下落している。Twitterの赤字を止めたいだろうが、それはユーザ名の販売のような小手先の策で解決できるようなことではない。