昨日土曜日のあまりの暖かさに驚いた。朝からずっと卒論の添削をして疲れたので、暖かさに誘われて、午後に近所の打ちっ放しに出かけた。少し打っただけで汗びっしょりになってしまった。金曜日の朝に手袋をしない手がしびれを感じたのとは大きな違いだ。
そう思っていたら、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の発表についての記事を見かけた。NOAAの発表によれば、2022年は、1880年以降の記録の中で6番目に暖かい年だったそうだ。
2022年の陸上と海上のの平均気温は、20世紀平均の13.9度を0.86度上回った。しかも1977年以降、46年連続で20世紀の平均気温を上回っている。
1880年に観測が始まって以来、1938年までは20世紀の平均の13.9度を下回っていた。だが、1977年以降は毎年のように平均を上回り、2010年以降に最も高い年が続いている。この傾向は明らかで、これからも同様の気温の上昇が続くものと推定される。NOAAによれば、すでに南極の氷は、記録的の低さまで溶けてしまっているそうだ。
このように、明確なデータが示されていても、温暖化否定論者が数多くいるのは事実だ。この場合、データの信頼性を疑う意見がまずあるだろう。NOAAなどが使用している元の観測データが適正に収集されたものかどうか。別の観点では、地球上で何度も繰り返されてきている温暖化と寒冷化のサイクルが温暖化に振れているだけという議論もあるのだろう。確かに人類の歴史の中で寒冷化の影響で民族の移動が起きて文明が滅んだと言うことが何度も起こっている。
大きな気候変動としては10万年単位で氷河期が繰り返されてきていることを事実だ。そう考えると多少の温度の変動は、地球自体が持っている生態系の一部である可能性はある。
だが、データで示されているだけではなく、個人的な肌感覚でも毎年のように暑くなっているような気がする。それも、自分の人生で経験している使い捨て文化や自動車をはじめとする内燃機関の普及、環境破壊と軌を一にして進んできているので、相関関係は明白と信じている。人類が、産業革命以来ずっと環境を破壊してきたのだ。
この様な状況が続けば、取り返しがつかない程度のレベルまで気象状況が悪化することを、多くの学者が警告している。これも、肌感覚として同感だ。しかも、それは温暖化ではなく、寒冷化に進むかもしれないという。近い将来、と言っても数千年か数万年先の新たな氷河期の到来かもしれない。
以前、恐竜の歴史を読んだときに感じたのは、地球の歴史は長いと言うことだ。恐竜は最初期の形態から、鳥に進化する種を除いた大型の恐竜が絶滅するまで2億年だそうだ。それを考えると、人類の数十万の歴史は、まばたきの間と言うような気もする。この短い歴史の中で、人類はどれほど多くの環境を破壊したかと考えると、恐ろしくなる。大型恐竜の比ではない。彼らは環境に影響を与えなかったはずだ。現時点の人類は、気候変動によって滅ぶと言うようなことをないにせよ、今のような快適な生活を続けられないかもしれない。もちろん、私の人生が終わった後でだが。
昨日の急な暖かさで春のように感じたが、このようなことも、大きな気候変動かと思うと怖くなる。