GoogleがBardをGeminiに改名

by Shogo

Googleは、BardをGeminiに改名する発表をした。 Bardに代わるGemini Advanced は、高性能かつ最大の AI モデルである Ultra 1.0 を搭載している。OpenAIの例で説明すると、 Gemini Advanced はサービス名のChatGPT Plusで、Ultra 1.0 はエンジンのGTP-4ということになるようだ。 Gemini Advanced は、新しい19.99ドルのGoogle Oneプランを通じて利用でき、2TBのストレージ、Google Oneの機能セット全体、Google Workspaceアプリ(Docs、Slides、Sheets、Meet)へのアクセスが含まれる。また、Google Workspaceで使えるDuet AIブランドもGeminiに統合される。

モバイルについては、Android用の新しいGeminiアプリが発表され、iOSのGoogleアプリにも数週間以内に導入されるち発表された。スマホでチャットでGeminiに何でも依頼することができるようになる。Gemini Advancedは150以上の国と地域で利用可能だが、言語は、現時点では英語のみだ。日本語と韓国語が追加言語として予定されているが、時期は発表されていない。

大規模生成AIの最上位モデルのGemini Ultra 1.0は、テキスト、画像、オーディオ、ビデオ。Gemini Advancedの利用者は、Gemini Ultra 1.0モデルにアクセスできますが、その実際の性能に関してはまだ詳細が不明。これは、すでにChatGPTがマルチモーダルになっているので、目新しい機能ではない。追いついたということだろう。

Googleによると、Ultra 1.0はOpenAIのGPT-4よりも特定のベンチマークテストで上回る性能を発揮するとのこと。これは、今後第三者がベンチマークテストを行なうだろうから、いずれはっきりする。

Geminiのリリースは、GoogleがAI分野での競争力を高めるために、OpenAIとMicrosoftに対して、急ピッチで開発・展開していることを示している。BardからGeminiへのブランドの変更もその一環と言えそうだ。

ビジネス利用としては、Google WorkspaceやGoogle Cloudで同様の技術を活用する計画があるので、GmailやGoogleドキュメントといったアプリの中で、Geminiの機能を利用できるようになる見込みだ。例えば、Gmailでメールの文章校正を依頼したり、Googleドキュメントでレポートの要約を生成してもらったりすることができるようになる。

Googleの発表と同じタイミングで、Microsoftも、Microsoft Copilotの画面デザインを全面的に変更した。このアップデートは、使い勝手に配慮しているということで、この変更を伝えるための広告をスーパーボウルでも出すようだ。Microsoftがスーパーボウルに広告を出すのは久しぶりのことだから、今回のMicrosoft Copiloに力が入っていることが明らかだ。

Microsoft Copilotブランドは、Microsoftの事業戦略の中心になっている。これが、ビジネスと個人の作業効率を根本から変えることを意図している。当初は、OpenAIのAI技術をBing Chatとしてチャット型のサービスとして導入されたが、今やAI技術は、全製品に導入され、特にOffice製品での利用が強化されている。

Microsoftは、すべてのAI技術のブランディングをCopilotに統一sした。特にMicrosoft OfficeにおけるCopilotの統合は注目に値する。文書作成、スプレッドシートの分析、プレゼンテーションの作成など、日常的なビジネスタスクがAIの力で大幅に効率化される。多くの人が、最も多くのAIを活用する機会は事務作業であり、Microsoftの独壇場だ。ここにCopilotというAI技術が導入されることで、私たちが最も使うデファクトのAIサービスになる可能性がある。Copilotという普通名詞は他社も使っているもので、Microsoftもこれを商標登録できないので、あくまでも「Microsoft Copilot」だ。今後は、徐々にCopilotはMicrosoft を意味するようになってゆくだろう。

2022年11月のChatGPTの登場以来、大手IT企業はチャット型AIの開発にしのぎを削っている。Googleも開発ペースを上げ、OpenAIに追いつこうとして、新機能を実装していることがうかがえる。Geminiのコア技術であるUltra 1.0は、GPT-4よりも高性能であるとGoogleは主張している。これが、どの程度のものかは今後わかってくることだろう。

ただし、一方で、生成される内容の信頼性確保は課題として残されている。OpenAI・MicrosoftやGoogleも、偏見やハルシネーションに取り組んでいるようだが、実用に耐えるようになるまで、まだ時間がかかりそうだ。アウトプットを完全には信頼できないからだ。それに加えて、大規模言語モデルが学習に使用するコンテンツの著作権問題もある。

いずれにせよ、こうしたチャット型AIは未来の生産性向上のための有力な選択肢となりつつあることも事実だ。

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