ChatGPT公開以来のAI競争はますます激しくなってきた。元OpenAIの幹部が立ち上げ、Googleが4億ドル出資しているAnthropic社のClaudeが、Claude3となって自社発表のベンチマークでは、GTP-4やGemini Ultraの能力を上回っているという。
Claude3は、独自の大規模言語モデル(LLM)を活用し、Claude AIチャットボットを動かしている。このモデルには、プレミアム版有料の「Claude3 Opus」、無料モデルの「Claude3 Sonet」、そしてまだリリースされていない「Claude3 Haiku」の3つのバージョンがある。「Claude3 Haiku」は現時点ではまだ使用できない。有料版のOpusは月額20ドルで、OpenAIの最初の価格つけを踏襲しているようだ。
Claude3 Opusは、高度な複雑なタスクで最高のパフォーマンスを発揮する最も知能が高いモデルだそうだ。自然言語のプロンプトに対して、人間に近い理解力と流暢さで対応できる。Claude3 Sonnetは、Claude 2および2.1よりも2倍速く、知能と速度のバランスが取れており、特に企業向けの仕事に適しているという。このモデルは、同様の知能を持つ他のモデルと比較してコストが低く、実用性が高い。Claude3 Haikuは、コンパクトなモデルで、ほぼ即時の反応速度を持っているそうだ。簡単なリクエストに対して、早く答えることができる。これは、「俳句」という名前の通り、軽くてスマホでも使えるということだと思われる。
Claude3 は、最高位モデルである「Opus」では、GPT-4やGoogleのGeminiと比較して数学問題解決、コンピュータコーディング、一般知識などの分野で優れた性能を発揮しているとAnthropic社のサイトで自社のベンチマークの数値を発表している。これらを信用すれば、学部レベルの専門知識、大学院レベルの専門的推論)、基本数学など、AIシステムに対する一般的な評価基準の多くで他社を上回るパフォーマンスを示している。
使っていないから分からないが、Opusは、複雑なタスクに対する人間に近い理解力と流暢さを持つと言っている。また、3つのすべてのClaude3 モデルは、分析、予測、洗練されたコンテンツの作成、コード生成、日本語やスペイン語、フランス語など非英語言語での会話といった分野で、Claude2より能力を向上させている。
最新のAIの傾向として、画像にも反応する能力も重要となっており、Claude3 も、例えば、画像分析、フローチャート分析や、図表やグラフを含む数学問題の対応が可能だという。
Claude3 の登場は、AI競争において選択肢となる。企業および個人ユーザーは、他のサービスを試用して、あるいは併用して比べてみることだろう。その上で、どれを使うかを決めて、気に入ったサービスで課金モデルを選択することが良いだろう。
ただし、ChatGPTやGeminiも頻繁にアップデートしている。Claude3 も、今後数ヶ月間でアップデートをリリースする予定だそうだ。これらのアップデートには、特に企業用途や大規模ユーザー向けにモデルの能力を高める新機能が含まれているために、使い続けて比べてみないと、どのサービスが優れているかは簡単には結論が出せない。