昔と違って全員がスマホというコンピュータを持って歩いていることを前提とすると様々なことが変わって来る。スポーツもその一例で、NHLのNYアイランダーズがベライゾンと提携してIsles+というアプリを立ちあげた。これが、スポーツ観戦を大きく変える。
記事によると、Isles+を使いながら試合を観戦すると、ファンは自分の興味合わせて観戦をコントロールできる。Isles+が提供する複数のカメラアングル、インスタントリプレイ、観戦仲間とのライブチャット、リアルタイムの統計情報、トリビアゲームなどの機能を使える。これにより、スポーツ観戦がパーソナライズされた体験になる。
例えば、複数のカメラアングル機能を使えば、ファンは自分の好きな角度から試合を見ることができる。インスタントリプレイでは、見逃した重要な瞬間をすぐに振り返ることが可能だ。また、リアルタイム統計は試合の流れを理解しやすくし、過去のデータや出来事などを呼びだして、試合中も様々な周辺情報を楽しむことができる。
これまでは、スポーツの会場観戦では、試合やスコアだけをリアルとジャイアントスクリーンを通じて見てきた。今後は、デジタル技術の進展を背景に、Isles+などのように、バーチャルリアリティの没入型体験からインタラクティブなモバイルアプリに至るまで、様々なデジタルツールが使われるようになるだろう。
Isles+だけでなく、他の事例では、カルガリーフレームスとカルガリーラングラーズのモバイルアプリもある。このアプリは、チームに関する最新情報、スコア、統計、チームや選手に関するオリジナルコンテンツ、試合日の情報など、ファンにとって必要な情報を一元化して提供している。これにより、ファンのチームと試合に対する関心を高めることができる。
さらに、このアプリはファンにとっての利便性も高い。スマホ一つで、試合のスコアやプレイヤーの統計をリアルタイムでチェックできるため、ファンはいつでもどこでもチームとつながることができる。また、試合中のエンゲージメントを高めるための機能も充実しており、ファンは試合に使える機能もあるようだ。記事だけでは、具体的な内容が分からないが、インスタントリプレイのようなことだろうか。
デジタル技術の進化は、スポーツ観戦体験を根本的に変えてゆくだろう。スタジアムでの観戦から始まり、自宅や移動中でも、お気に入りのチームの試合やコンテンツにアクセスできる。Isles+やカルガリーフレームスとカルガリーラングラーズのモバイルアプリなどの事例は、デジタル技術がスポーツ体験を豊かにしているかを示している。今後、デジタル技術とネットワークは、スポーツをインタラクティブでパーソナライズされた体験に変え、見るだけの楽しみから、参加型のエンターテインメントへと進化させるだろう。
これが、さらに進化すると、ファン体験はよりダイナミックで多様な形を取ることが期待される。仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、人工知能(AI)などの技術が組み合わされることで、ファンは試合を観るだけでなく、それを体験し、参加することが可能になる。当然、スポーツの付加価値が高くなり、収益の改善も期待できる。
アメリカでも、まだあまり例はないが、ファンがスマホを持っている環境を生かして、日本のスポーツチームやリーグは、モバイルアプリを持つべきだろう。