まるでAI軍拡競争のように、各社からAIについてのアップデートや新モデル・新機能が発表される。Claude3が大きなニュースになったばかりだが、GoogleからもAI言語モデルGeminiのアップグレードが発表された。Geminiの新機能は、ユーザーが回答を調整できることを可能にする。現時点では、この機能は、Geminiウェブアプリの英語版でのみ利用可能だ。
これまで、Geminiが生成したテキストに大幅な変更を加えるには、プロンプト全体を言い換えて生成をやり直すか、手動でレスポンスを編集する必要があった。新機能では、正確な「回答の修正」オプションが装備され、ピンポイントで修正指示が可能になった。
- 再生成 選択したテキストを新しい視点や言い回しで再生成する
- より短く/より長く ニーズに応じて、特定の箇所の長さを調整できる。このツールを使って、詳細を追加したり、非常に簡潔な要約を作成したりできる。
- 単純化 選択したテキストで使われている言葉を簡単にし、誰にでも理解しやすくする
- カジュアル/プロフェッショナル フォーマルな報告書にも、親しみやすい会話形式のブログ記事にも、文章のトーンを調整できる
- プロンプトで変更 ユーザーはテキストを変更するための具体的な指示ができる。これはスタイルやトーンの変更、情報の追加または削除など、あらゆることが可能
ただし、この機能はまだ開発中であり、制限がある場合があるそうだ。例えば、サポートされていないフォーマット変更、不明瞭な指示、またはアプリの能力を超える指示に対して、「Geminiがそれを行うことができない」というメッセージが表示されることがあると報道されている。
しかし、Googleの開発のスピードを考えると、日本語対応も含めて改良されてゆくものと思われる。
文章生成は急速に進化しており、Geminiの最新のアップデートも、その例だ。Geminiは、AIが生成した文章を、かつてないほどコントロールできるようにすることで、人間の創造性に取って代わるのではなく、むしろ共同作業ツールとなる。微調整で使い勝手が向上するだろう。
AI、万々歳と言いたいところだが、一方で、膨大なエネルギー消費の問題も指摘されている。生成AIモデルの学習や運用には膨大な量のデータ処理が必要で、多くの電力を消費するデータセンターが必要とされている。データセンターの電力源として原子力エネルギーの選択という話も散見される。もちろん、原子力エネルギーでなくとも、環境負荷が高いのは事実で、今後のAI利用に伴う環境問題も増えてくると思われる。生成AIモデルの運用を行う巨大IT企業には再生可能エネルギーの使用を義務つけるなどの規制も必要なのかもしれない。