買い物が直接できるコンテンツ

by Shogo

Amazon Liveは、Prime VideoとAmazon Freeveeで、「番組を見ながら買い物ができる」技術を搭載した新しいインタラクティブなショップチャンネル「FAST Channel」の立ち上げを発表した。視聴者は番組を見ながら登場する商品をモバイル端末で購入ができるようになる。

Amazon Live の「FAST Channel」は、無料視聴できる、広告付きのライブショッピング可能チャネルで、 Amazon独自の「shop the show 」テクノロジーがこの購入プロセスを可能している。例えばiPadやモバイルデバイスでライブストリームされたシリーズを視聴しているときに、俳優が着用している衣服やジュエリーを購入したい場合、画面をタッチして製品ページに遷移し購入を完了することができる。

ストリーミングコンテンツを活用して販売を促すのは、Amazonだけではない。Walmartは、すでに昨年末、初のショップ可能なシリーズを立ち上げるために、TikTokとRokuと提携することを発表している。この提携から、初のショッピング可能なシリーズ「Add to Heart」を立ち上げた。

グリーティングカードのHallmarkは多くのクリスマス映画を制作して配信しているが、「Add to Heart」は、典型的なHallmarkのホリデー映画の形式を借りており、クリスマス頃に育った町に戻ってきたキャリアウーマンが恋を見つけるというストーリーだそうだ。個人的には確実に見ない種類の番組だが、Hallmarkが長年成功しているということは、市場が確実にあるということだろう。視聴者は、「Add to Heart」を見ながら画面上で見た商品を購入することができる。

また、11月には、NBCUniversalのPeacockとの新たなパートナーシップにより、ショップ機能付きのテレビ番組を拡大することも発表した。これにより、「Below Deck Mediterranean」というスーパーヨットのクルーを描いたリアリティ番組の視聴者は、「ショップ可能なエピソード」中に登場する商品を購入できるようになった。「Below Deck Mediterranean」は、8シーズンも続いている人気シリーズだから視聴者も相当多いだろう。

このように、ショッピングとエンターテインメントの境界線が曖昧になりつつある。PYMNTS Intelligenceの調査によると、アメリカの消費者の3分の1がオンラインショッピングに興味を示しており、コネクテッドデバイスを所有する95%の消費者のうち、77%以上が過去1ヶ月以内にレジャー活動中にそれらのデバイスを使用し、そのうちの3分の1が買い物に利用していることが分かっている。エンターテイメントコンテンツを楽しみながら買い物が直接できるようになると、この数字が変わってゆくだろう。

ショッピングとエンターテインメントが融合するこの新しいトレンドにおいて、AmazonとWalmartの動向は、新しい時代に入ったと感じさせる。両社の戦略的なパートナーシップは消費者のエンターテイメント行動とオンラインの買い物体験を変えてゆくだろう。

両社の市場シェアは、2023年第4四半期の時点でAmazonは消費者支出の4.4%を、Walmartは3%を占めていると推定されている。どちらも小売業の巨人である。この2社が買い物できるコンテンツに取り組むことで、エンターテイメントと小売の境界を曖昧にし、消費者がどのようにして製品を発見し購入するかに革命をもたらす可能性がある。

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