Alphabetが第1四半期の決算を発表した。中でも注目は、GoogleのクラウドコンピューティングサービスGoogle Cloud部門だ。Google Cloud部門は、飛躍的な業績を残している。人工知能(AI)需要の高まりが追い風となり、同部門の売上高は前年同期比28%増の95億7,000万ドルに達した。
Google Cloudの営業利益は9億ドルと、前年同期の5倍近くにのぼった。このGoogle Cloudの好調が、親会社Alphabetの第1四半期の業績を大きく押し上げる原動力となっている。この成長は、クラウドインフラストラクチャ、サービス、アプリに依存する生成AIツールへの需要が増加したことによるものだ。前四半期の成長率も25.66%であり、この好調な流れが続いている。
Alphabetの第1四半期発表によると、全社売上高は前年同期比15%増の805億ドル、純利益は57%増の237億ドルと堅調な数字を記録した。また、初の配当支払い(1株当たり20セント)と自社株買い70億ドルを発表し、株価は13%超上昇している。今回が、初の配当支払いとは驚きだ。素晴らしい決算を続けているので、当然のこととして配当をしてきているものと思っていた。
Googleの主力事業である検索広告なども好調で、収入は14.4%増の461億5,000万ドルとなった。YouTubeの収入は20%増の80億9,000万ドルと同様に好調だ。この結果、広告事業全体では13%増の616億ドルとなっている。この期だけで、日本の広告費全体を上回っている。
クラウドコンピューティングに話を戻すと、この領域は技術の進化とデジタル変革の波に乗り、競争が激化している。主要プレイヤーは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudだ。
Amazon Web Services(AWS)
AWSは長らくこの市場のリーダーであり、最大のシェアを持っている。AWSは幅広いサービスとツールを提供し、スタートアップから大企業まで多岐にわたる顧客ニーズに対応している。2023年のデータによると、AWSの市場シェアは約32%に達しており、強力なインフラと革新的なサービスにより、デファクトのサービスと言ってよいだろう。
Microsoft Azure
MicrosoftのAzureは、クラウド市場で急速にシェアを伸ばしているプラットフォームだ。特にエンタープライズレベルでの採用が進んでおり、Microsoftの既存の顧客基盤との統合が進む中で市場シェアを増やしいる。企業向けのサービスでは圧倒的な強さの結果だ。Azureの市場シェアは約21%で、特に政府機関や大企業の間で強みを発揮している。
Google Cloud
Google Cloudは、AIと機械学習の強化により注目を集めている。先に書いたように、2024年第1四半期には売上が28%増となり、急成長している。市場シェアは約10%で、特にデータ分析とAIツールの先進性が評価されている。
この3大サービス以外にも、IBM CloudやOracle Cloudなどがある。これらのプラットフォームは特定のニッチ市場や特化したサービスで競争力を持っている。
クラウドコンピューティング市場は今後も成長を続けると予想されている。特に、リモートワークの増加やデジタルトランスフォーメーションの加速により、クラウドサービスへの依存が高まっている。また、セキュリティと規制遵守のニーズの高まりも、クラウドコンピューティングの追い風となっている。
Google Cloudの好調な業績は、このようなクラウドコンピューティング市場の成長を背景にしている。AIツールやサービスへの需要が高まる中、Google Cloudは、先行する2社との競合状況が、さらに激しくなるものと思われる。