アート市場のトップはピカソ

by Shogo

毎日のように多くの新しいアーティストが誕生している。そして今までになかったような新しい試みが様々なされている。特にデジタルアートの世界は動きが活発だ。近年のNFTによる販売方法も含めて多くの作品が取引可能となっている。

しかしながら、アート市場を分析する。ArtronとArtpriceによる2023年の美術作品の公開オークションの分析によると、2023年に最も売れたアーティストはパブロ・ピカソで3500点の作品が販売された。その半分以上は5000ドル未満で販売された彫刻だったと言う。確かにピカソは作品数も多く、特に彫刻作品や陶芸などの立体作品も多い。それでもピカソと聞くと大変高額だとは思うが、5000ドル未満とは驚きだ。それだけ数が多いということだろう。ピカソ美術館には何箇所で行ったが、彫刻が多いのに驚いていた。

昨年の販売数の2位は、サルバドール・ダリで3000作品、3位がアンディ・ウォーホールで1900作品。この顔ぶれを見ると、新しいアーティストは、まだまだ世界的な人気となるには早いようだ。

ArtronとArtpriceのデータはオークションとNFTをカバーしている。その数字では、2022年にはコロナ禍からの回復と歴史的な著名なアート・コレクションや作品の売却により、世界のアート市場は大きく成長をしたようだ。特に高額作品の市場では24点が5000万ドル以上で落札され、記録的な年となったという。これらの高額作品は、コレクターや美術館が争って買ったようだ。

しかし、2023年は前年ほどの盛り上がりは見られなかったようだ。著名なコレクションの売却が少なく、5000万ドル以上の作品はわずか6点に減少している。この結果、高額市場は前年比で14億6000万ドルの減少を記録した。更に、ウクライナとロシアの戦争やイスラエルとパレスチナの衝突など、複雑なグローバルな経済状況が、アート市場にも影響を与えたと分析されている。

しかし、アジア市場は回復し、特に中国は事前のCOVIDレベルに戻った。アメリカ市場は取引量は増加したが、総売上は減少している。ヨーロッパでは、特にフランスが安定した成長を見せ、ドイツとイタリアも安定して取引がされている。

国別にランキングは、1位がアメリカで52億ドル、2位に中国で49億ドル、3位にドイツで、大きく離されて18億ドル、4位はフランスの8.75億ドル。ここからはさらに市場は小さく、5位のドイツが3.72ドル、7位のイタリアが1.97億ドル。8位にはインドが入って、1.52億ドル。そして、日本が9位で1.4億ドル。GDPで近日中にインドに抜かれるようだが、アート市場の規模ではすでに抜かれている。これを見ると、日本は貧しい国だと思い知らされる。

2023年の市場全体としては、取引の数は増加しており、特に低価格帯での取引が活発だそうだ。最も取引が行われているのは12,000ドル以下の作品で、これが全体の90%を占めている。この活発な取引は、オンラインセールスと新しい世代の買い手の増加により支えられていると分析されている。

日本は貧しい国になったと良く言われるようになってきたが、文化的には前からずっと貧しい国だったのかもしれない。

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