日本の女性の自殺率は世界2位

by Shogo

5月はアメリカでメンタルヘルス啓発月間だそうだ。この時期に、精神疾患に悩む人々やその家族の健康を優先する政策を推進し、偏見をなくし、支援を広げ、啓発活動を行うことに力を入れているそうだ。そのためか、いくつかのメディアが自殺の話題を取り上げていた。

その中でOECDのデータが目を引いた。OECDの調査によると、アメリカでは男性10万人あたり平均23人、女性は10万人あたり約6人が2021年に自殺している。韓国、リトアニア、ハンガリーなどいくつかの国ではこの数字はさらに高くなっている。

さらに、世界的に男性の自殺率が女性よりも高い。2022年に自殺率が最も高かったのは、男性では韓国の人口10万人あたり34.9人、リトアニアの33.1人だった。女性では韓国の14.9人、日本の9.8人が最も高い数字となっている。

日本は、2022年の自殺者数は前年より297人増えて21,881人だった。人口10万人あたりの自殺率は0.8ポイント増の17.5。原因や動機別に見ると、最も多かったのが「健康問題」で12,774人、次いで「家庭問題」の4,775人、「経済・生活問題」の4,697人。

男性の自殺者数は13年ぶりに増加に転じ、前年より807人増の14,746人。女性は3年連続の増加で、67人増の7,135人。年齢層別では、50代が最も多く475人増の4,093人。40代の3,665人、70代の2,994人も高い水準だった。

問題なのは、自殺で亡くなった小中高生は514人ということだ。1980年の統計開始以来、初めて500人を超えたのだそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大で、友達や先生とうまくコミュニケーションが取れず、悩みを抱える子供が増えたことが背景にあると分析されている。

OECDのデータでは日本の男性の自殺率は、対象15カ国中で7位だが、日本の女性の自殺率は韓国に次いで2位という残念な結果だ。

韓国の自殺率は深刻だ。OECD加盟国の中で男女ともに自殺率が1位という残念な記録だ。特に、若者の自殺が大きな問題となっているそうだ。10〜39歳では自殺が死因の第1位という状況は、なにか深刻な状況を伺わせる。政府は自殺率を下げるために様々な対策を打ち出しているそうだが、2014年に人口10万人あたり27.3人だった自殺率は、前年より4.1%減の6年ぶりの低水準となったものの、依然高止まりしている。

このOECDのデータを見ていると、日本と韓国の自殺率の高さは際立ってていて、社会構造や経済的な問題、文化的背景など、なんらかの特有の問題があるように思われる。女性や若者に対する何かしら自殺に追い込むような要因が多くあり、それが絡み合っていると考えられる。日本で、政府が自殺の問題にどう取り組んでいるか知らないが、男性で7位、女性で2位という自殺の問題は、見過ごせない状況があることだけは確かだ。

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