Xが決済機能を追加し、スーパーアプリに近づく

by Shogo

Xが、決済機能の追加に向けて着実に進展しているようだ。これは、イーロン・マスクがXを「すべてを網羅するスーパーアプリ」に変えるというビジョンに近づくものだ。

アプリ研究者のニマ・オウジ氏の最近の発見によると、Xはブックマークタブの下のナビゲーションバーに「支払い」ボタンを追加する作業を進めているとのこと。オウジ氏は、「取引」「残高」「送金」などの新しい支払い機能への参照を発見したと報じられた。

イーロン・マスクは当初、Xを買収した際に、ユーザーがXアカウントに資金を保管し、他のユーザーに送金し、将来的には高利回りのマネーマーケットアカウントにアクセスできるプラットフォームを想定していたと言われる。

今回の発見は、イーロン・マスクが、決済機能の実装について、昨年の12月にインタビューで語った2024年半ばという目標に沿って、準備が進んでいることを示唆している。

さらに、まったく報道されていなかった(あるいは単純に私が知らなかった)が、Xは米国内で送金業務を行うための送金業者ライセンスの取得を進めているという。先週、Xの完全子会社であるXペイメンツがノースダコタ州でライセンスを取得し、ライセンスを取得した州の数は33州になっているそうだ。7月にはアラバマ州、カリフォルニア州、コロンビア特別区でも承認された。決済機能を、目指していることは知っていたが、そこまで着実に進んでいるとは知らなかった。

広告主離れで広告による収益化に課題を抱えるXにとって、決済サービスは代替収入源を模索する試みなのだろう。最近、Xは広告主のボイコットによる大幅な財務損失を理由に、広告団体に対する反トラスト訴訟を提起したばかりだ。これについては、理不尽な話だ。むしろ身からサビだろう。

イーロン・マスクは。今週開催されたXスペースでの広告主との会議で、決済市場への参入計画について詳しく語りったそうだ。将来的にユーザーはプラットフォーム上で他のユーザーに送金し、認証された銀行口座に資金を引き出すことができ、さらには高利回りのマネーマーケットアカウントが提供されるという構想だ。これで、将来的には、Xは、Apple Card向けの貯蓄口座や、PayPalやVenmoなどの決済プロバイダーと競合する可能性があるということだ。

面白いのは、ネットメディアのThe Informationは、暗号通貨が、Xの新しい決済システムの一部になると報じていることだ。暗号通貨が暗号資産と呼ばれるようになったのは、実際には通貨として使うのが難しいからだ。それが、Xで数千万人単位の使えるようになると通貨と呼べるかもしれない。

決済事業への参入は、ソーシャルメディアプラットフォームを「X」と呼ばれる「すべてを網羅するアプリ」または「スーパーアプリ」に変えるというイーロン・マスクの大きな計画の一部だ。大言壮語の類にも聞こえるが、中国のWeChatのように、決済、ソーシャルネットワーキング、エンターテインメントなどを1つのエクスペリエンスに組み合わせることはすでに実現している。

日本では金融庁などの規制のために、実現は難しそうだから、実現するにしても遠い将来のことだろう。だが、少なくともアメリカでXが決済機能を持つと、ソーシャルメディアプラットフォームは新しい時代に入る。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!