Googleに「独占」の判断

by Shogo

散歩から帰ってきて、コーヒーを手にパソコンの前に座ったら、驚くような記事がNYTの1面に出ていた。アメリカ連邦地裁が、Googleがオンライン検索市場において違法に独占を維持しているとする歴史的な判決を下したというものだ。この判決は現代のインターネット時代の仕組みを揺るがすものであり、ビジネスの在り方を根本的に変える可能性がある。

ワシントンD.C.の連邦地裁で、判事は判決文の中で、Googleが検索事業における独占を乱用していると結論づけた。これは、司法省と複数の州がGoogleを訴えた結果のもので、GoogleがAppleやSamsungなどの企業に対して巨額の支払いを行い、スマートフォンやウェブブラウザで自動的にGoogleの検索エンジンを利用させることで、違法にその支配力を強化していると指摘した。

「グーグルは独占企業であり、その独占を維持するために行動している」と判事は述べている。

この判決は、Googleという巨大テクノロジー企業がインターネットを利用して、広告、購買、情報消費、オンライン検索の方法に影響を与えてきたことに対する厳しい対応となる。アメリカで「独占」のレッテルは企業にとって死を意味する。また、この判決は、Apple、Amazon、Metaに対する他の政府の反トラスト訴訟にも影響を与える可能性があるだろう。

この判決はGoogleにとって大きな打撃となる。インターネット検索はGoogleの収益の中核であり、この判決は同社の将来の成功に重大な影響を与える可能性がある。特に、GoogleがAIの競争に多額の投資を行っている中で、この判決は同社の経営に大きな変化をもたらすだろう。OpenAIやAppleなどとの競争には、検索事業からの収益は不可欠だ。

判決には、Googleの行動に対する具体的な是正措置は含まれておらず、判事が今後それを決定する予定だそうだ。これにより、Googleが事業の一部を売却するなどの変更を余儀なくされる可能性があると記事には書かれている。

この判決は、数年間にわたる訴訟の結果だ。2020年に司法省と州がGoogleのオンライン検索支配に対して提訴した。Googleの検索エンジンは、ウェブ検索の90%近くを占めているとされており、この数値はグーグルによって異議が唱えられていた。これは、日本で同様な数値となっていると見られる。Yahoo!Japanの検索エンジンはGoogleだからだ。

Googleは、AppleのSafariやMozillaのFirefoxなどのブラウザでデフォルトで検索エンジンとして設定されるために、年間数十億ドルを支払っている。2021年には、Appleに対して約180億ドルを支払ったとも報じられていた。

当然に、Googleは上訴するだろう。まだまだ最終的な結論は先になるが、Googleの未来に暗雲が立ち込めていることは間違いない。

これまで、アメリカ政府は、多くのデバイスで自動的に検索エンジンとして設定されるために数十億ドルを支払うことにより、グーグルが競合他社に対して競争の機会を奪い、その結果、競合他社が検索エンジンの規模を拡大する機会を奪われたと主張してきた。その結果、Googleは、データを収集し、その検索エンジンをより優れたものにし、支配力を強化してきたのは事実だ。

連邦地裁判事は政府側に同意し、Googleが一般的なオンライン検索サービスにおいて独占的地位を持っていると認定した。デバイスやウェブブラウザで自動的に検索エンジンとして設定される契約は、競争を阻害し、競合他社がGoogleの支配に挑戦するのを難しくしていると述べている。しかし、一方の見方では、そのような取引は、よく行われていることは事実だ。だが、Googleほどの90%のシェアを持ってしまうと独占のために競争を阻害しているという事になってしまうのだろう。

Googleはまた、ヨーロッパでも反トラストの調査を受けており、昨年はオンライン広告分野で競合他社を排除したとして非難されていた。ヨーロッパでもどうなるかわからない。

Googleは、どうなるのか。ただでさえ、生成AI言語モデルで検索市場の秩序が乱れ始めている中で、Googleはやっかいな問題を抱えることになった。株式市場が下落傾向だが、親会社のAlphabetの株式はきっと大きく下げたことだろう。(関心がないので調べないが)

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