2022年にイーロン・マスクがTwitterを44億ドルで買収してから、ちょうど2年が経過した。あまりXを使っていないので実はよく分からないが、この2年間は、言うまでもなく波乱の連続だと評価されている。マスクは、大規模な人員削減や人気機能の廃止、新しい機能の導入を行い、Twitterを根底から揺るがした。
そして、同時に「X」という新しい名前に変え、「すべてのアプリ」への道を歩むというビジョンを掲げている。このような劇的な変化により、Xに対する広告主の信頼感が急速に低下していることが明らかになった。
調査会社のKantar Media Reactionsよると、2024年にはマーケティング関係者のうちわずか12%しかX上の広告を信頼していると答えている。これは、買収前の2021年の28%から比べると大きな落ち込みだ。
また、今後Xへの広告支出を減らす計画があるという関係者は26%に達し、これは同社が調査を始めて以来、最も大きな記録的な数字となっているようだ。この信頼感の低下の主な要因は、ブランド安全性の欠如だ。調査に参加した広告主のうち、4%しかX上の広告が広告主にとって安全だと考えていない。驚くべき数字だ。
Kantarのメディアディレクターは、「広告主は、Xが数年間にわたりマーケティング支出を減少させてきたことを認識している。過去12か月でこの傾向が急加速しており、現在の状況を逆転させるのは難しい。広告主はブランドの保護者であり、使用するプラットフォームを信頼する必要がある。Xは、非常に変化が激しく、1日ごとに予測が難しいため、ブランドの安全性に自信を持つことが難しい」と述べたようだ。
広告主の信頼感が低下している背景には、ヘイトスピーチや人種差別、暴力発言などで、X上でのブランド安全性の欠如が大きく影響している。広告主が広告を出す際、その内容が安全であると確信できない場合、投資を躊躇するのは当然のことだ。どの広告主もネオナチ礼賛のような狂った投稿に広告を載せようとは思わない。だから、競合のSNSに比べ、Xは特に安全性が低いと見なされており、広告主は他のプラットフォーム、特にGoogleやTikTokに移行する傾向がある。
さらに、マスクのマーケティングに対する敵対的な姿勢も広告主の信頼を損なっているのだそうだ。彼が過去1年間で広告主に対して「くたばれ」と発言し、メディア業界からの激しい反発を招いたことは、信頼感を一層低下させる要因となっている。これにより、広告主はXに対する投資の魅力を感じなくなり、さらなる撤退が進んでいるそうだ。
マーケティング専門家たちの調査結果によれば、Xは革新性や信頼性において競合SNSと比較して低く評価されている。TikTokは最も新しいと見なされ、YouTubeは最も信頼されているプラットフォームとされている。この状況において、広告主は他のSNSに目を向けるのは当然の選択だ。
イーロン・マスクの買収から2年が経過した今、Xは広告主からの信頼を失い続けている。広告主が気にするイメージの安全性の欠如やマーケティングに対する敵対的な姿勢がその根本的な原因だ。このままでは、広告主の撤退が続き、Xの広告収入はさらに減少することが予想される。先ごろから出始めたXの売却の可能性も否定できない状況だ。