中国発のソーシャルメディアアプリ「小紅書(Xiaohongshu、英語名:Red Note)」は、1月にアメリカのApp Storeで無料アプリのダウンロード数1位を記録し、大きな注目を集めている。これは、米国でのTikTok禁止の可能性が高まる中、代替プラットフォームを求めるユーザーが増加したことが背景にあるそうだ。
小紅書(Red Note)とは?
Red Note(小紅書)は、中国発のソーシャルコマースプラットフォームであり、2013年に設立された。このアプリは、InstagramやPinterest、さらにはAmazonの要素を組み合わせたような機能を持ち、ユーザーが写真や動画、テキストを通じて情報を共有しながら商品購入もできるという特徴を持っている。月間アクティブユーザー数は2.6億人以上に達し、その多くが20代から30代の女性で、美容やファッション、旅行といったライフスタイル関連のコンテンツが特に人気という。
アメリカRed Noteの人気が急上昇した背景には、TikTok禁止に対する反発、新たなプラットフォームへの期待、そして既存のアメリカ発プラットフォームへの不満など、様々な要因が絡み合っているそうだ。
まず、アメリカ政府によるTikTok禁止の動きに対し、反発するユーザーが中国発のアプリであるRed Noteに移行することで、政府の措置に抵抗する意思を示しているという側面があるとも指摘されている。
また、TikTokの代替となるプラットフォームを探していたユーザーにとって、Red Noteは魅力的な選択肢となっているのだそうだ。特に、中国のユーザーと交流できる点は、他のプラットフォームにはない特徴だ。
さらに、Instagram ReelsやYouTube Shortsといったアメリカの既存プラットフォームは、すでに多くのユーザーを抱えており、新規参入者が注目を集めるのは難しい状況だ。加えて、これらのプラットフォームは、アルゴリズムやコンテンツの質など、ユーザーから不満の声も上がっており、新たなプラットフォームを求める声が高まっていた。
Red Noteの魅力は、TikTokと似た機能を備えているだけではない。中国で人気の商品を購入できるショッピング機能や、ライブコマース機能など、独自の機能も備えている。ユーザー同士の交流も盛んで、コメント欄での意見交換や情報共有が活発に行われている点も、多くのユーザーを惹きつけている理由の一つだそうだ。
しかし、Red Noteは中国企業が運営しているアプリであるため、データセキュリティ、検閲、情報操作といったリスクも孕んでいる。ユーザーの個人情報や行動履歴などが中国政府にアクセスされる可能性や、政治的に敏感な内容が検閲される可能性、中国政府がRed Noteを通じて偽情報やプロパガンダを拡散する可能性などを否定できない。
現時点では、Red Noteは、TikTokの代替として大きな注目を集めているが、長期的な成功を収めることができるかどうかは未知数だ。アメリカ政府が、Red Noteも含めて中国発アプリへの規制を強化する可能性や、Red Noteが中国政府の意向に左右される可能性など、不確定要素が多く存在する。
TikTok禁止が近づく中で、様々な動きがありそうだ。