Microsoftの株価は、この数年、絶好調だ。Nvidiaのような外れ値もあるが、 AIブームでMicrosoftの株価も大きく押し上げられた。OpenAIとの提携強化や、Copilotを含むAI製品への積極的な投資が評価されているようだ。2025年7月現在でもクラウド事業の成長が株価を牽引して、52週高値の513.37ドルに近い水準で推移している。
そのMicrosoftだが、Copilotがうまく行っていないという記事を読んだ。Copilotは、競合のChatGPTに大きく水をあけられ、GoogleのGeminiやDeepSeek、GoogleのGeminiといった他のAIアシスタントにも後塵を拝している。
Sensor Towerの最新データによると、Microsoft Copilotのダウンロード数は約7900万回に留まっている。これに対し、OpenAIのChatGPTは9億回を超えるダウンロード数を記録しており、その差は実に10倍以上だ。さらに、CopilotはGoogleのGemini(2億回以上)やDeepSeek(1億2700万回)にも追い抜かれ、AIアシスタントの総インストール数では第4位に甘んじている。
Microsoftは、AI技術とインフラに数十億ドル規模の投資を行い、2025年度までにAI対応データセンターに800億ドルを投じる計画だ。これほどの資源を投入しながらも、なぜCopilotはユーザーに支持されていないのだろうか。Office365で、あらゆるオフィスや家庭で使われているMicrosoftの製品でCopilotを使えることを考えると、見慣れているはずのCopilotをダウンロードしないのは不思議だ。
この現状は、単なる技術的な課題だけでなく、Microsoftのマーケティング戦略の失敗と言えるのだろうか。読んだ記事では、いくつかの要因が指摘されていた。
- 製品の断片化とユーザーの混乱 MicrosoftはCopilotを仕事用と個人用に分けたが、これがユーザーに混乱を招き、機能の喪失に繋がったという声が聞かれる。ユーザーはシームレスな体験を求めている中で、このような製品の分け方は利便性を損なう結果となった。
- 機能性のギャップ WindowsやMicrosoft 365への統合は進んでいるものの、Copilotは音量調整や特定のアプリケーションの起動といった基本的なシステムレベルのコントロールが不足していると批判されている。日常的に使うアシスタントとして、ユーザーが期待する基本機能が満たされていない。
Microsoft Copilotは、AIアシスタント市場における競争激化への対応が求められているのだろう。ChatGPT、Gemini、DeepSeekなど、強力な競合がひしめく中で、Copilotは独自の差別化要因を打ち出す必要があるだろう。Microsoft製品との連携だけでは、十分ではない。ビジネスユーザーに対する生産性向上はもちろん、個人ユーザーに対してもCopilotを使うことで、生活がどう変わるのかという具体的なメリットを提示し、訴えかけるようなマーケティングが必要だろう。
ネットビジネスでは、勝者総取りの原理が働く。ChatGPTが圧倒的な存在感を持つ市場においては、ユーザーのマインドシェアを取ることができるようなキャンペーンが必要かもしれない。それに、もし可能なら(と言ってもOpenAIのエンジンを利用しているので難しいのだろうが)他のAIアシスタントとは、決定的に違う機能を導入することだろう。
このままでは、Microsoft Copilotは、現在の厳しいAIアシスタント市場で存在感を持つのは難しそうだ。