Netflixの共同CEOが投資家会議で、自社のスポーツ放送権獲得について否定的な意見を示した。
しばらく前からNetflixがスポーツ中継に進出するのではないかと言う噂が流れている。今回のコメントで、それを明確に否定した。
共同CEOのコメントの中で気になった部分があった。「スポーツ中継のビジネスモデルは有料テレビのビジネスで構築されている。しかし、有料TVのビジネスモデルと配信のビジネスモデルが全く違っている。Netflixが巨額のスポーツ放送権を獲得しても利益への道筋が見えない」というものだ。この発言については、これ以上の説明がないので、なぜ有料放送と配信サービスのビジネスモデルが違うのかよくわからない。どちらも定額で視聴料を支払い、単にコンテンツの伝送経路が違っているだけだ。違いはないように思える。
発言で明確なのは、「利益への道筋」で、Amazon、Apple、Googleなどが自社の配信ビジネスのために、目玉商品として採算の合わない高額のスポーツ放送権を獲得競争をしているのは事実だ。そのような不採算なコンテンツには手を出さないという部分はよく理解できる。
テレビ放送と有料テレビ放送と配信サービスの違いについては、説明されていないので意味が理解できない。しばらく考えて見ることにする。
共同CEOは、同じく噂されているゲーム事業についても言及した。こちらは実際に取り組むようだ。まずNetflixオリジナルの人気番組「Stranger Things」や「Nail It」などをゲーム化し、事業を開始する。その後に、逆にオリジナルのゲームを開発して、そのコンテンツを映画やテレビに展開する計画であることを説明した。その際に、ゲームについては、別のサブスクプランを用意すると発言したと言う。Netflixのゲームだけのプランが登場するようだ。これは、顧客層が違っているので、合理的だ。
もう一つの話題は、11月から開始した広告付きプランについてだ。現在は広告付きプランは1種類しかないが、これについては複数の広告付きプランを考えていることを明らかにした。ただし内容について明らかにしていないので、複数あるとして、どのように違うのかにはわからない。広告の入る頻度などが違うのであろうか。
今回の会議とは別の機会で、Netflixの広告担当者は全世界の当面の広告在庫は、すべて開始前に販売販売済みだと発言している。広告事業のほうは順調のようだ。
ただし、日本ではNHKを筆頭に民放局とも、広告についての詳細が詰めきれておらず、NHKの番組に広告が入ったことから、NHKからクレームがつき、NHKの番組については現在はCMが停止中だ。どのように話し合っているのだろうか。
今回の共同CEOの発言は、目新しい事は無い。ただ明確にNetflixが明確にスポーツ中継に進出しないことを明言したために、今後のスポーツの放送権交渉市場では多少の影響はあるであろう。