イーロン・マスク死の買収後にTwitterは大混乱になっている。大混乱になってるのは、オーナーがイーロン・マスク氏であることではなく、問題のある投稿が原因で排除されていたアカウントを復活させていることである。このために多くの広告主は、人権侵害やヘイトスピーチなどの問題のある投稿ページに広告が表示されることを恐れて広告出稿を見合わせている。
Twitterは、数あるSNSの中でも最もリアルタイム性に優れたものだ。このため、スポーツに限らず、様々なイベントの際には、Twitterに、そのイベントについての投稿がされ、注目が集まる。このような機会は、Twitterの広告にとっては稼ぎ時でもある。
今は、カタールで行われているFIFAワールドカップのイベントの期間中で、世界中がのサッカーファンが、一喜一憂したり、良いプレーに感嘆して膨大な数の投稿をしているはずだ。本来であれば、このような期間はTwitterにとっては稼ぎ時である。しかし、今年に関してはそうでは無いようだ。ワールドカップの期間中であっても、Twitterは広告の在庫をたくさん持っているようで、多くの広告主に対して広告料金の半額割引のパッケージの提案書を送ったそうだ。
これは深刻な問題で、Twitterにとっては稼ぎ時を、これから迎える。クリスマスシーズン、アカデミー賞発表会、スーパーボールなどの多くのイベントの際の広告の販売にも同様の影響が見られると危機的な状況だ。
Twitterの収入の90%は広告収入で、その売り上げ、45億ドルの85%は大手広告主からだ。残りは取り扱い金額が少ない多くの少額広告主によるものである。このことから、大手の広告主が広告出稿を控えた場合に、Twitterにとっての影響が大きい。
この広告収入依存のビジネスモデルの変更のために、イーロン・マスク氏が期待していたのは、Twitter Blueと呼ばれる有料のアカウントで、ここからの収入を広告収入を補完するものとして考えていたようだ。しかしながら、Twitter Blueの公式のチェックマークが付いたアカウントから誤情報が送信されることが発生した。このため、TwitterBlueについては、一旦停止し、調整を行った上で、今後再開されると言う。
広告主の懸念は、問題のあるアカウントを復活させたり、人間による投稿内容チェックの手順を省略するなどの変更を行ったために、Twitterの内容が荒れることだ。そして実際に、復活された白人民族主義者のアカウントのページに、大手広告主の広告が表示されたことにより、一気に広告主の出稿停止が広がった。これは売り上げの90%が広告と言うTwitterにとっては致命的な問題である。広告会社も、Twitterへの広告出稿は危険だとアドバイスしている。
この対応のために、イーロン・マスク氏は自らのアカウントなどで、人間による内容のチェックの強化、投稿内容の安全性について見直しをすることを約束している。しかしながらこの現状はすぐには回復しないであろう。クリスマスや新年のホリデーシーズン、大きなイベントが続く、広告の需要期に広告主が出稿を控えている事は、Twitterにとっての不安材料だ。本当に倒産の可能性すらある。
話は変わって、ワールドカップ。今回のワールドカップは何が起きても不思議ではない。朝起きてみると、なんとブラジルがクロアチアに負けていた。しかもまたPK戦の結果だ。アルゼンチン対オランダも、オランダが勝つ可能性が高いと思っていたが、こちらも延長で、最後はPK戦でアルゼンチン。これも予想とは違った。ベスト8になると力さはほとんどないと言うことなのかもしれない。