逆リープフロッグ現象

by Shogo

ドコモの店に行った際に固定電話サービスの代わりに、「homeでんわ」を勧められた。「homeでんわ」はドコモの固定電話サービスだ。NTTの固定電話なら毎月2000円程度かかっている基本料金が「homeでんわ」では税込み550円になる。値段につられて、実家用に「homeでんわ」を契約した。

すでに固定電話ほとんど利用することもなく、たまにかかってくる電話もほとんどセールスばかりだ。固定電話を廃止したいと思っているが、さすがに古くから使っている固定電話の番号を廃止するわけにもいかずと思っていたから、コストが安くなると言うことなので即決した。

本来のドコモに行った目的とは別に、この契約のために相当時間がかかった。説明を聞いていると、「homeでんわ」とは要は携帯電話のための電波を使ったサービスだった。実家の固定電話も携帯電話になった。

固定電話からのナンバーポータビリティーで固定電話の番号は使えるが、その実態は090のナンバーの振られた携帯電話だ。この携帯電話網につなげるための端末HP 01の費用が17,800円かかる。これは3年契約で実質無料になる。初期の頃の携帯電話の端末と同じような仕組みだ。

「homeでんわ」は、格安料金でNTTの固定電話のサービスを置き換えることができる。これは2020年にNTTがドコモを完全子会社化して一体化したことにより可能になったのだろう。別会社が行っている事業を4分の1の価格で奪い取るのは、同じグループ会社としては難しいであろう。今はNTTの経営判断で携帯電話の無線ネットワークを有効利用しようとしているようだ。NTTにとっては「homeでんわ」が普及すれば、現在持っている有線電話網の縮小や補修経費の削減が可能となる。将来的にNTT自体が有線電話網を捨てて、完全に無線ネットワークに移行することによるメリットは計り知れないほど大きい。

一般家庭において固定電話の利用は驚くほど少ないと思われる。ほとんどの場合が携帯で済ませているからだ。そもそも音声通話そのものを行うケースの方が少ない。電話は、もはや話すものではなく、インターネット端末となっているからだ。

途上国で固定電話網が普及する前に携帯電話が普及してしまった現象をリープフロッグと呼ぶ。今回の「homeでんわ」への切り替えは、逆リープ・フロッグと呼んでも良いのかもしれない。既存の有線通信網を捨てて、無線ネットワークに集約する現象は、今後先進国において急速に進むのではないだろうか。途上国でリープフロッグ現象が進んだのは、その方が圧倒的にコストが安かったからだ。先進国においても、これは同様だ。有線通信網を維持するコストよりも、完全に無線ネットワークに切り替えてしまった方が、コストが安くなるのは明白だ。

このような逆リープフロッグ現象は、今後様々な分野で行われると想像する。つまり、既存のインフラを捨てて、それを無線ネットワーク通信やインターネットで代替して、その業務を行う。既に銀行業では起こっている事だ。どの駅前にもあった銀行の支店を捨てて、どんどんインターネットバンキングに移行している。これも逆リープフロッグ現象だ。

これを医療に当てはめると、家庭からのリモート診断を行い、投薬は自宅に配達される。もし必要な場合には、少し離れたところにある病院に治療のために行くと言うようなことになっていく。教育にも部分的には適用されるのだろう。すぐにパンデミックの際のリモート授業で経験済みでもある。無線ネットワークとインターネットが、今後も様々な分野で逆リープフロッグ現象を起こすものと想像する。

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