指導者の犯罪

by Shogo

アメリカはトランプ前大統領の裁判で大騒ぎだ。アメリカの歴史始まって以来、初めて大統領経験者が起訴されると言う事態であり、また来年の大統領選挙の有力候補でもあるために大きなニュースとなっている。

しかし、最近の事例でも、起訴こそされなかったが、大統領の行動が問題になったことがあった。ニクソン元大統領は辞任することによって問題から逃れたし、クリントン元大統領は、任期切れの退任時に弁護士免許を返上して政界からも引退することによって問題の幕引きを行った。もしかすると、私の知らない過去の歴史で似たようなことがあったのかもしれない。

大統領選挙への影響については、様々な推測をされている。一部では今回の裁判がトランプ前大統領の再選に有利に働くと言う推測もある。これが現実にそうなるのであれば、それだけアメリカの分断が進んでいるということだ。トランプ前大統領を支持する低学歴・貧困層の白人と人種を問わず、高学歴・富裕層との溝が深いと言うことになる。

マンハッタン地区検事局の検察官がトランプ前大統領に対して34件の重罪で起訴した。連邦の司法では問題にならなかったが、州のレベルで起訴するということは、日本では理解が難しい。

トランプ前大統領は出廷した後、検察官を犯罪者と呼び、裁判官をトランプ嫌いの判事と呼んだ。そして、前大統領を起訴するようなアメリカは、もはや第三世界の国だと発言している。

確かに政治的・司法的に混乱している第三世界の国では、指導者が投獄されたり、場合によっては死刑になることがある。また、クーデターが起こった国では、そのようなことは普通に起こる。

しかしながら、第三世界の国ではなくても、指導者や前指導者が起訴されたり、投獄されたりするケースがたくさんある。この数十年だけでも、多くの事例がある。イスラエルのネタニヤフ首相は、現在汚職裁判最中だし、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は、一度は汚職の有罪判決を受け、それが破棄されて、1月に大統領に復帰している。

マレーシアのナジブ・ラザク前首相は汚職裁判の結果、有罪判決を受けて、収監されている。フランスでも、サルコジ元大統領は2つの事件で有罪判決を受けて実刑判決を受けた。今は控訴中だ。韓国でも朴槿恵前大統領は汚職で24年の刑を言い渡されて4年間服役した後、恩赦を受けている。台湾でも、陳水扁前総統が2009年に贈収賄で有罪判決を受けている。イタリアではシルビオ・ベルルスコーニ元首相は何度も起訴されて、有罪判決を受けたこともある。

第三世界の国でなくとも、このように指導者が起訴され、有罪判決を受け事は数え切れないほどある。

しかしながら、日本では田中元首相以来、そのような事件はまだ発生していない。これは良いことなのか、悪いことなのか。起訴に値するような、指導者の犯罪が起こされてないとすれば幸せなことなのだろう。

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