ChatGPT公開から1年。AIブームが来て、各社から言語生成AIサービスが公開されている。OpenAIのChatGPTの後を追って、巨大IT企業が、AIサービスを公開した。GoogleはBardを、MicrosoftはChatGPTをベースにCo-pilotを公開している。ここで、不在なのは、MetaとAmazonだ。Metaは、独自開発のAIモデルとオープンソース化したり、Amazonは、OpenAIと競合するAIスタートアップであるAnthropicに40億ドルの投資を行っただけで、自社のサービスを行っていない。
しかし、Amazonも独自の人工知能アシスタントであるAmazon Qを発表した。Amazon Qは、Amazonのクラウドコンピューティング部門AWSによって開発された。しかし、他のサービスと違い、Amazon QはB2Bサービスだ。
Amazon Qは、企業の内部の効率化のために開発されており、企業のデータを保護しながらAIを利用した業務を行うことを意図している。AWS利用企業に売り込むのであろう。その意味で、ChatGPTなどのB2Cサービスより、GoogleのDuet AIやChatGPT Enterpriseと競合する。
Amazon Qは、ChatGPTやBardとは異なり、特定のAIモデルに基づいて構築されていないそうだ。Amazon独自開発のTitanやAnthropicやMetaによって開発されたシステムなど、いくつかのAIシステムを統合するBedrockと呼ばれるシステムになっている。
Amazonが独自AIサービスを開始したニュース聞いて後追いかと思ったが、B2Bに特化したことを知ると、やはりAmazonはAWSの会社だと納得できる。
ChatGPTから1年で、多くのサービスが登場した。メジャーなサービスをまとめてみると、無料のサービスも機能が限定的だが多い。使い慣れしなければいけないと思い、無料のものに登録してみた。なんとなく、使い勝手や回答が良さそうなのは、 Perplexityだ。しかし、有料サービとは比べていないので実際にはよくわかっていない。一応情報を整理してみると今のとおり。説明は、各社の説明の要約だ。
ChatGPT (OpenAI)
- 自然言語処理に特化したAIで、OpenAIによって開発。こ大量のテキストデータをトレーニングに使用し、ユーザーの質問に答えたり、文章を生成したりする能力を持っている。
- 多様な話題に対応でき、会話形式で情報を提供することが可能。また、コンテキストを理解し、対話を続ける能力が高い。最近、独自のGTPを作る機能も公開された。
- 無料版GPT-3.5と月額20ドルの有料版がある。
Bard (Google)
- Googleが開発した言語モデルで、GoogleのLaMDA(Language Model for Dialogue Applications)を基にしている。
- ユーザーとの対話を通じて情報を提供し、創造的なアイデアを生み出すことができる。Bardは、最新のインターネットデータと組み合わせることで、新しい情報提供が可能。
Claude (Anthropic)
- OpenAIを辞めた技術者の設立したAnthropicによって開発されたAI言語モデル。人間のような理解と応答を目指して設計されており、安全性と使いやすさに重点を置いていまる。また、人間のような会話スタイルを実現するために、ユーザーの意図や感情を理解しやすい構造に作られている。
- 無料版と月額20ドルの有料版がある。
Perplexity(Perplexity AI )
- OpenAIを辞めた技術者によって開発。Bingの検索エンジンとGPT-3.5を組み合わせた対話型AI検索サービス。検索結果の出典を明示することで回答の信頼性を高めている
- 無料版と月額20ドルの有料版がある。
- 有料版では、ChatGPT-4やClaudeも利用できる。
Bing AI(Microsoft)
- Bing検索エンジンに統合された人工知能機能。ChatGPTをエンジンとして利用。WEB検索により検索結果の精度を高め、ユーザー体験を向上させるために開発された。出典のサイトが表示されるために便利。これは、検索的な感覚で使いやすい。
これ以外にも、イーロン・マスクのXもGrokという独自のツールを発表している。これは、Xのリアルタイムデータを活用した上で、ユーモアのある回答をするそうだ。
主要サービスを並べてみると、OpenAIがAI技術のインキュベーターになったことがよくわかる。多くのサービスがいわば暖簾分けだ。Amazon QもAnthropicの技術が入っているので同様だ。OpenAIのような新しい技術を生み出す組織が、どうして日本にはないのだろうか。