AWSの成長率

by Shogo

2023年第4四半期のAmazonの決算発表で目についたのは、Amazon Web Services(AWS)の好調さだ。AWSの売上高は242億400万ドル、営業利益は前年比39%増の72億ドル。2年ぶりの高い成長率になった。Amazon全体の営業利益132億ドルの54.5%を占める。

AWSはクラウドコンピューティングの先駆者だ。2006年にサービスを開始し、クラウドコンピューティング市場のデファクトとしての地位を確立した。AWSは、ストレージ、コンピューティング能力、データベース、分析、ネットワーキングなど幅広いサービスを提供し、企業がオンプレミスのインフラストラクチャからクラウドへと移行することを容易にしている。ネットビジネスを開始する際に、まず最初に検討するサービスだ。

AWS を採用している主要な企業および組織は次のようなものがある。

  • Netflix は、ストリーミング サービスを世界中の 2 億人以上の有料契約者に提供している。 AWS を使用して、ストリーミング ビデオ、レコメンデーション システム、および Web サイトを運用している。
  • Airbnb は、世界中の人々が宿泊施設を借りたり貸したりできるオンラインプラットフォームだ。 AWS を使用して、Web サイトとモバイル アプリを運用し、ホスティングしている。また、データ管理、および支払い処理もAWSだ。
  • Spotify は、1 億 7,000 万人以上のユーザーにAWS を使用して、音楽のストリーミング、レコメンデーション システム、および Web サイトを運用している。
  • Uber は、世界中の 70 か国以上で。 AWS を使用して、ライドシェア サービスを提供している。AWSで、モバイル アプリ、乗客とのマッチング、支払い処理を運用している。
  • NASA は、 AWS を使用して、データを分析し、シミュレーションを実行し、Web サイトをホストしている。

ただし、AWSも無敵ではない。このクラウドサービス市場は成長分野であり、多くの競合がいる。Synergy Research Groupによると、2023年第4四半期のAWSの市場シェアは31%で、前年の33%から低下している。最も強力な競合のMicrosoft Azurのシェアは過去最高の24%にまで追い上げてきた。3位は、Googl Cloudも11%まで伸びてきた。4位以下は、Alibaba, Sales Force、IBMなどは遥かに低いシェアとなっており、上位3社の争いが今後も見込まれる。

その競争で重要になったのは、AIだ。各社ともクラウドサービスにAI技術を組み込んだサービスの提供を開始している。

AWSは、機械学習、AI、IoT、サーバーレスコンピューティングなどの分野で新しいソリューションを提供し続けてきた。そして、2023年には、機械学習専用の「Trainium2」、高性能CPU「Graviton4」を発表した。これらは、より高速でコスト効率の高いクラウドサービスを実現するという。

さらに、今後の焦点は、生成AIだ。自社開発の生成AIサービス「Amazon Q」を契約企業に提供している。また、AI開発企業アンソロピックとの提携を通じて、その技術をAWSで提供し、契約企業が自社サービスに生成AIを組み込むことを簡単にしてた。このサービスが今後どれほど伸びるかが、競争の主戦場となる。

クラウドサービスは成長分野であり、さらに生成AIによりさらに付加価値の高い事業になることは自明だ。AWSも2024年に収益成長がさらに加速すると予測される。ただし、クラウド市場での競争は激化して、Microsoft/OpenAIとGoogle Geminiの生成AIとの競争はさらに激しくなるだろう。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!