WalmartのVizio買収

by Shogo

アメリカ最大の小売りチェーンのWalmartが、スマートテレビメーカーのVizioを2億ドル以上で買収する可能性があると、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。この動きは、小売業界の巨人がデジタル広告市場とメディアコンテンツの分野に積極的に進出しようとしていることを示すものだ。Walmartは、自社の持つ消費者データとメディアコンテンツを組み合わせることで、パーソナライズされた広告に本格的に参入しようとしているようだ。

この買収の可能性は、Walmartが自社の広告事業を強化し、Amazonなどの競合他社との競争で優位に立つための一環と見られている。Walmartは、既にOnnブランドのハードウエア事業を展開しており、Vizioの買収は、低コストのスマートテレビハードウェアを販売することではなく、広告収入の増加を目的としていると考えられる。この買収が実現すれば、小売業界とデジタル広告市場の両方において、Walmartの重要性が高くなると思われる。

WalmartとAmazonの競争

WalmartとAmazonは、オンラインとオフラインの両方の小売業で激しく争っている。特に注目すべきは、Vizioの買収が、両社がデジタル広告市場でも競合していくことになる。

Amazonは、eコマースのリーダーとしての地位を確立し、その強みを生かしてデジタル広告市場においても急速にシェアを拡大している。Amazonの広告事業は、サイト上でのプロダクトプレースメントや検索結果における広告表示を通じて、企業が消費者に直接アプローチできる強力な手段となっている。これにより、Amazonは消費者の購買行動に直接関連するデータを収集し、効果的なターゲット広告販売している。

世界第3位、売上210億ドル!Amazon広告の驚異的な成長

Amazonの広告事業は驚異的な成長を遂げ、2023年に売上210億ドルに達している。これは、広告販売事業者として世界第3位だ。Googleの 2100億ドルやMetaの 1150億ドルに比べれば、まだ桁が違うが毎年の成長率は高く、徐々に差を縮めてゆくと見られる。これは、Amazonが、1億5000万人を超えるアクティブユーザーと、彼らの購買履歴などの膨大なデータを保有しているため、高度なターゲティング広告技術を持つからだ。さらに、購買を目的とする検索は、Googleで検索するのでなく、最初から:Amazonで検索するため、Amazonのサイト上の広告は効率が良い。

一方、Walmartは伝統的な店舗ベースの小売りから、オンラインへと領域を広げつつある。Walmartは、オンラインとオフラインの融合を通じて、Amazonとの競争において独自性を築こうとしている。具体的には、Walmartも自社のウェブサイトやモバイルアプリでの広告展開を強化し、消費者の購買データを活用してパーソナライズされた広告キャンペーンを展開していくと見られる。また、実店舗における豊富な商品展示と組み合わせることで、消費者に対して一貫したブランド体験を提供し、購買意欲を刺激することで、広告事業も強化することが目的だ。

この背景は、デジタル広告市場の成長だ。消費者のメディア消費行動が変化する中、企業は広告予算を従来のテレビや印刷メディアからオンライン広告にシフトさせている。AmazonとWalmartは、このトレンドを捉え、それぞれの強みを活かしてデジタル広告市場でのシェアを拡大しようとしている。

WalmartのVizio買収

WalmartがVizioの買収を検討しているのは、このような背景の中で、デジタル広告市場における自社の広告事業をさらに強化し、Amazonとの競争するためだ。VizioのスマートTVとその広告プラットフォームを活用することで、Walmartは消費者に直接アクセスし、更にパーソナライズされた広告を配信しようとしている。これは、Amazonが、すでにFire TVを通じて実現している戦略と類似している。というより、その後追いということになる。

WalmartによるVizioの買収は、小売り大手がデジタル広告市場への本格的な進出を図る上での重要な一歩だ。Vizioは、単なるテレビのハードウエアメーカーではない。最新の四半期ではテレビハードウェアのデバイスセグメントで損失を計上しているが、広告を販売するプラットフォームセグメントが、四半期の売上総利益のすべてを生み出している。つまり、Visio自身がハードウエア会社でなく、広告プラットフォーム企業だ。

Walmartの顧客データとVizioの広告の統合は、 Walmartにとって重要なデータ収集の手段となる。消費者のテレビ視聴習慣や好みを理解することで、Walmartはそのデータをオンラインおよびオフラインの販売戦略に活かすことができるからだ。

Connected TV(CTV)広告市場は、近年急速に成長している。WalmartがVizioを通じてこの市場に参入することで、テレビとデジタル広告の境界を越えた新たな広告手法を開拓することが可能になる。Vizioのスマートテレビは、Walmartが提供する商品やサービスを消費者に直接的にアピールするのに理想的なメディアとなる。

WalmartとVizioの統合の影響

WalmartによるVizioの買収が実現した場合、小売業界およびデジタル広告市場において、重要な変革がもたらされる。Eコマース、Prime Videoのメディア事業と広告事業で先行するAmazonに大きな脅威となることは間違いがない。

Walmartは、Vizioの技術とデータを活用して、消費者に対するより、精度の高いターゲット広告を提供することができるようになる。これは、他の小売業者や広告主にとっても新たな挑戦を意味する。

CTV広告市場は今後も成長を続けると予想され、Walmartの参入は市場を大きく変える可能性がある。これは、AmazonのFireTVにも影響を与えるだろう。後の注目は、Walmartがメディア事業を強化するかどうかだ。

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