OpenAIがウェブ検索エンジンを開発中

by Shogo

OpenAIがウェブ検索エンジンを開発中という報道がされている。検索エンジンの開発に取り組んでいるのかもしれない。技術的には、GPTbotというウエブクロウラーを持っているが、Microsoftと協力して Bingを一部利用したウェブ検索になるようだ。現時点ではChatGPT Plusのユーザーは、Browse with Bingを使ってウェブ検索もできるが、これが開発できれば自前の検索エンジンを持つということのようだ。これは、驚くようなことではない。AIチャットボットと検索の違いは、ユーザーから見れば使い勝手として大きくはない。いずれ、両者は融合すると考えるのは自然だ。

検索では圧倒的な存在のGoogleがGeminiをリリースして、先行するOpenAIのChatGPTとしては検索機能が重要と判断しているのだろう。これまでも、MicrosoftのBingをはじめ、Blekko、Cuil、Neevaなどの検索エンジンがGoogleに挑戦してきたが、Googleに勝ったものはない。検索におけるGoogleの市場シェアは90%を超える圧倒的な存在だ。そのGoogleが、Geminiでチャットボット型生成AIでChatGPTと競争しようとする現在、OpenAIも検索エンジンが必要と判断したのだろう。

これまでのBardをGeminiに変更したGoogleも、AI分野で先行するOpenAIに危機感を感じているだろう。このため、Gemini開発に全力をあげてきたものと思われる。

GoogleのGeminiは、最新のAI技術の集大成としてGoogleが公開した。この技術は、GoogleのAI研究部門であるDeepMindとGoogle Researchによって開発された。

Geminiの特徴は、マルチモーダルAI技術を中心に構築されており、テキスト、画像、ビデオ、オーディオなど複数のデータを同時に処理することができる。テキスト中心のAIモデルを超えて高い能力を持つが、これはChatGPTに追いついただけで、ChatGPTキラーの能力ではない。

Geminiは、三つの異なるバージョンある。

  • Gemini Ultra:フラッグシップモデルで、最も強力な処理能力を持っている。大規模なデータセットに基づいてトレーニングされ、多様なタスクに対応可能。
  • Gemini Pro:「ライト」バージョンとして開発され、より軽量でスピーディな処理を提供。
  • Gemini Nano:モバイルデバイス向けの軽量モデルで、例えばGoogle Pixel 8 Proのようなスマートフォン上で直接実行可能。iOS対応はしばらく時間がかかるようだ。

Geminiは、マルチモーダル能力により、様々な用途に適用可能。例えば、ビデオや画像の内容を分析し、それに関連するテキストを生成したり、音声データをテキスト化して要約することができる。今後Googleは、Geminiを既存の製品やサービスに統合し、そのマルチモーダルAI能力を活かしたサービスを提供することを計画していると発表している。

Geminiには「Gemini Advanced」と「無料サービスのGemini」があり、能力の高いGemini Ultraを使うためには、月額19.99ドルの「Gemini Advanced」を契約をする必要がある。この価格は、ChatGPT Plusの20ドルを意識したものだろう。ただし、「Gemini Advanced」はGoogle Oneにバンドルされているのでクラウドサービスなどのお得感はある。さらに、2ヶ月のトライアルができるので、OpenAIに対抗するプロモーションのようだ。

「Gemini Advanced」については、いくつかのサイトが能力をテストして公表しているが、押し並べて現時点では評価は低い。これを、Googleがどこまで改良できるか。そして、OpenAIの検索エンジンが、いつリリースされるのか注目だ。

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