PerplexityやSearchGPTで検索やネット利用が変化を見せ始めている。この状況にGoogleは焦っているだろう。
そのGoogleは、ウェブブラウザChromeに新たなAI機能を導入し、ユーザーの利便性向上を図り、競合に対応を矢継ぎ早に行なっている。ウェブブラウザChromeに新たなAI機能を導入もその一つだ。デスクトップ版Chromeに 搭載される主な機能は、の3つある。Google のブログで発表された新機能は以下の通り。
1. Google LensのChromeへの統合
スマートフォンで人気の高い画像検索機能「Google Lens」が、デスクトップ版Chromeにも導入される。ユーザーはアドレスバーのGoogle Lensアイコンをクリックし、画像の一部を選択することで、その画像に関連する情報を検索できるようになる。
例えば、ある植物の画像からその名前を調べた後、「この植物の育て方は?」といった具体的な質問をGoogle Lensに投げかけると、AIがより詳細な情報を探してくれる。
2. AIによる商品比較機能「Tab Compare」
オンラインショッピングで、複数のタブで商品の詳細やレビューをチェックするのは面倒な作業だ。そこでGoogleは、開いている複数のタブから商品情報を抽出し、一覧表にまとめる「Tab Compare」機能を開発した。
例えばBluetoothスピーカーを購入しようとしている場合、各商品の仕様や価格、評価などを一つのタブで比較できるようになる。これにより、ユーザーは効率的に商品を比較検討し、購入の意思決定ができるようになる。これも、Perplexity、GeminiやChatGPTでも出来そうだが、使い慣れたChromeが便利だし、ハルシネーションの可能性も低そうだ(?)。
3. 自然言語処理を活用した閲覧履歴検索
Chromeの閲覧履歴検索に、自然言語処理機能が追加される。ユーザーは「先週見たスマホのサイトは?」といった具体的な質問を入力するだけで、AIが閲覧履歴を分析し、該当するサイトを見つけ出してくれる。
この機能の利用はオプトインであり、設定でオン・オフを切り替えられるようだ。また、シークレットモードでの閲覧履歴は使用されない。
この新しいAI機能による検索履歴データの保存方法については、少しプライバシーの問題が気になる。「AIによる閲覧履歴検索」では、ユーザーの閲覧履歴データを解析して検索に利用する。通常、Chromeの閲覧履歴データはローカルのパソコンに保存されている。WindowsではAppDataフォルダ内、MacではLibraryフォルダ内のHistoryファイルに記録されるそうだ。
通常、Chromeの閲覧履歴データはローカルのパソコンに90日間保存される。「AIによる閲覧履歴検索」では、ユーザーがChromeにログインしGoogleアカウントと同期している場合、閲覧履歴はGoogleアカウントにも保存される。Googleアカウントに保存された閲覧履歴データは、ユーザーが削除するまで無期限に保持される。ただし、ユーザーは閲覧履歴データの自動削除設定を3ヶ月または18ヶ月に設定できる。設定した期間を過ぎると、古いデータから順に自動的に削除される。
つまり、AIによる閲覧履歴検索では、通常のChromeと同様に90日分のローカル履歴に加え、ログイン時にはGoogleアカウントにも無期限に保存されるようだ。ユーザーの設定次第では自動削除されるが、一部のデータは削除後も保持される可能性があり、Googleによる分析対象のデータとなってゆくということのようだ。これは、プライバシー設定としては、いかがなものだろうか。
新機能は数週間以内に順次リリースされる予定だ。Google Lensはグローバルで提供されるが、Tab CompareとAIによる閲覧履歴検索は当初、米国のみのようだ。だが、いずれ日本でも使えるだろう。
これらの新機能は、Chromeユーザーの利便性を大きく向上させるのだろう。だが一方で、大量の閲覧履歴データを無期限に解析することへのプライバシー上の懸念もある。それは別として、Googleとしては、ともかくAIを一刻も早く導入して、検索市場と言う牙城を守りたいのだろう。