Appleが、スマートホーム市場への再参入を目指し、2つのスマートディスプレイの開発を進めていることが、Bloombergの報道により明らかになった。これらの製品は、それぞれ異なるユーザー層をターゲットにしており、Apple Intelligenceを活用した高度な機能が搭載される予定だという。
Appleが発表する予定の2つの新製品は、それぞれ異なる用途とユーザー層をターゲットにしている。
1. テーブルトップデバイス(コードネーム:J595)
1つ目は、より高機能なテーブルトップデバイス。このデバイスは、ロボットアームと大きなiPadのようなディスプレイを備えており、複数の機能を持つことが予測されている。ロボットアームは、ディスプレイを動かして最適な視聴角度を提供するだけでなく、セキュリティ機能としても活躍する可能性があるようだ。たとえば、ビデオ通話の際にカメラの位置を調整したり、部屋の様子を監視するセキュリティカメラとして機能したりすることが考えられる。
さらに、このデバイスはビデオ会議やエンターテイメントのためのハブとしても活用できるため、家庭内での多目的な利用が期待される。Appleの強力なAI技術である「Apple Intelligence」を搭載することで、これまでにない家庭内でのコンピューティング・インターネット体験が実現されるという。これが、今あるiMacを置き換えられるような機能を果たせるのだろうか。
- ハイエンドモデル (開発コード名:J595)
- ロボットアームと大型iPad風ディスプレイを搭載
- ビデオ会議やホームセキュリティ機能を提供
- 予想価格は1000ドル以上
2. 低価格帯スマートディスプレイ(コードネーム:J490)
もう1つの製品は、低価格帯のスマートディスプレイ。こちらは、よりカジュアルなユーザーや基本的な家庭内管理を目的としたデバイス。AppleのA18チップを搭載し、AIによる操作が可能で、FaceTimeやカレンダー、メモ、ホームアプリなど、家庭内の各種アプリケーションを直感的に操作できるインターフェースが備わっているという。特に、家電製品の状態を一目で確認し、簡単にコントロールできるユーザーインターフェースが特徴。
また、手のジェスチャーを認識する機能も搭載される予定で、タッチ操作を必要とせず、ユーザーが手を使ってデバイスをコントロールできる操作方法が予想されている。これは、今のiPadの代替になるのだろうか。
- ローエンドモデル (開発コード名:J490)
- A18チップを搭載し、AI機能をサポート
- FaceTime、カレンダー、メモ、ホームアプリなどを実行可能
- スマートホーム機器の制御に最適化されたインターフェース
これらの新しいデバイスは、Appleの新しいオペレーティングシステム「homeOS」で動作するようだ。現在、AppleはAppleTV向けのtvOSを展開しているが、これがhomeOSの基盤となり、最終的には両者が統合されることが見込まれている。homeOSは、スマートホーム環境全体を管理するために設計されており、Appleの他のデバイスやサービスとのシームレスな連携が期待される。
tvOSがベースとなることで、AppleTVや既存のエコシステムとの統合が容易になるだけでなく、新しいhomeOSはより直感的で使いやすいインターフェースを提供する。家庭内の複数のデバイスが一体となって機能し、ユーザーは家のあらゆる場所から簡単に操作できるようになるという。
Appleは、これまでもスマートホーム市場に進出しようとする試みを行ってきたが、他社製品との競争が激化する中で、決定的な成功を収めることはできていない。しかし、今回の2つの新製品は、Appleが本格的にスマートホーム市場に再挑戦するための重要な一歩となる。特に、Apple Intelligenceを中心に据えた革新的な技術と、使いやすさを追求したデザインが強みとなり、関心を集めることが期待されている。
Appleのエコシステムは、すでにiPhoneやiPad、Macといった製品群で高い評価を得ているが、homeOSとスマートディスプレイの導入により、家庭内のあらゆるデバイスがシームレスに連携する新しい体験が可能になるのかもしれない。
Apple製品には魅力的なスマートホームデバイスがなかったので、パソコン、タブレットやスマホはすべてAppleにも拘らず、スマートスピーカーとしてAlexaが2台もある。これが、他のデバイスと連携しないのが不便だが、新しいスマートディスプレイとhomeOSが、これを変えるかもしれない。高機能なテーブルトップデバイスか低価格帯のスマートディスプレイという2つの選択肢があるが、使い方や機能をこれから検討したい。