Teslaが復活

by Shogo

Teslaに復活の兆しがあるようだ。Teslaの株価は、今年に入って大幅に下落した。4月に最安値を記録して、他のテクノロジー系企業の株価が好調だったこと比べると対照的だった。しかし、その後急回復していたが、それは実際に裏付けがあったようだ。株には興味がないので、詳しくは分からないが、Teslaの事業内容や状況を投資家が把握していたということなのだろう。

発表された2024年第3四半期決算で、Teslaの販売台数が前年同期比6.4%増加し、今年初めて四半期ベースでの成長を記録しましたそうだ。読んだ記事によれば、この結果は電気自動車(EV)市場全体の回復を示唆する重要な指標となっている。

その記事によれば、Teslaは2024年7月から9月の間に46万3,000台の車両を納車し、前年の43万5,000台を上回った。ただし、この販売データはウォール街の予想をわずかに下回ったため、株価は3.5%下落した。株価が、どう動くかは面白いものだ。決算発表前は、良い噂を聞いて期待が大きすぎたということなのだろう。

記事の分析では、Teslaの販売増加には、アメリカ市場での2.5%の低金利ローン提供が寄与したのだそうだ。これは、市場の平均金利を大きく下回っており、連邦準備制度理事会(FRB)が9月に金利を0.5%引き下げた後、さらに利用しやすくなっている。

それに加えて、電気自動車の需要が拡大していることもTeslaの販売増加の理由だという。

EV市場全体では、他の自動車メーカーも販売を拡大しており、結果的にTeslaのシェアは縮小している。GM、Hyundai、Ford、BMWといった企業が新たなバッテリー駆動モデルを投入する中で、Teslaはアメリカ市場で、まだ約半数のシェアを維持しているが、かつての独占的な地位は薄れつつあるようだ。

たとえば、GMは2024年第3四半期にアメリカでの電気自動車販売が前年同期比で60%増加し、3万2,000台を超えた。また、Fordも12%の増加を記録しており、EV市場全体が依然として成長していることを示している。

Teslaの課題は多岐にわたるようだ。まず、中国市場では販売が回復しているものの、競争が激化しており、多くの自動車メーカーが利益を上げるのに苦戦している。また、ヨーロッパではドイツが購入者向けの補助金を削減したことにより、EVの売上が鈍化している。

だが、Teslaの最大の課題とリスクは、イーロン・マスクの発言や行動がブランドイメージに与える影響だろう。彼のX上での挑発的な発言や、トランプ前大統領や保守的な政策への支持が、EVを買うようなリベラルな消費者に対して影響を与えている可能性は高い。つまり、Teslaがトランプ陣営の中核会社というイメージが染みつき始めている。トランプ前大統領が、当選後にイーロン・マスクを重要閣僚に任命すると発言した後では、特にそうだ。

普通は、大企業のトップは、政治的なイメージがつくことを嫌う。良い例が、マーク・ザッカーバーグだろう。以前の選挙では民主党支持を鮮明にして、リベラルな発言を行っていたが、今回の選挙では、政治に距離を置いているという記事を読んだばかりだ。

イーロン・マスクのトランプ陣営との関係が、重要市場である中国で影響が出るリスクもあるだろう。米中対立だけでなくトランプ・中国対立に巻き込まれる。

中国は世界最大の自動車市場であり、同時に世界最大のEV市場でもある。中国のEV市場は急速に成長しており、2023年時点で、中国の新車販売に占めるEV・PHEVの比率は38%に達している。BYDやTeslaなどは、年間販売台数が40万台を超えている。新興EVメーカーの理想汽車(リ・オート)も2023年に37.6万台を販売し、黒字化を達成したという報道がされている。

このようなEVが活況を呈している市場で、スマートフォンメーカーの小米(シャオミ)が新たに参入し、発売からわずか27分で5万台の予約を獲得するという話題もあった。内燃エンジンの車と比べて、誰でも自動車が作れるから起こる現象だろう。かつてのPC市場で起こったことと同じ現象だ。

このような市場環境を考えると、大きすぎた株価への期待を持つTeslaは、また下落のリスクをはらんでいる。Teslaに投資をしないから関係ないけど、気になる。

これまでは、マグニフィセント・セブン(Magnificent Seven)の一角を占めているTesla だが、今後はどうなるのだろうか。マグニフィセント・セブンは、7つの大型テクノロジー企業を指す。Apple、Microsoft、Alphabet、Amazon、Meta Platforms 、NVIDIAにTeslaだが、Teslaが落ちて、今後、格式公開の可能性のあるAI企業、例えばOpenAIやAnthropic などが入ってくる可能性もあるのだろうか。個別株を買う予定はないから関係ないのだけれども。

自動車市場は、今後もある程度は成長するのだろうが、参入する競合車などを考えると、Teslaには厳しい未来が待っているような気がする。さらに、そこに政治的なリスクも加わるから、Tesla株は買わない方が良いのかもしれない。

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