MetaのThreadsに広告が導入されると報道された。
Threadsは、Twitterの競合として、Metaによって開発され、2023年7月にローンチされた。このプラットフォームは初年度に月間アクティブユーザー数が1億7500万人を突破する驚異的な成長を見せた。このユーザー数で、Twitter(現X)の最大の競合として地位を固めた。そして、2024年には2億7500万ユーザーまで達している。もちろん、この急速な成長には、InstagramやFacebookのユーザーベースがあることが理由だ。自らのプラットフォームを使って強力なプロモーションを行った結果だ。
報道によれば、Threadsへの広告導入は、Instagramの広告ユニットが担当し、2025年1月に少数の広告主によってテストが開始されるそうだ。Threadsに広告を導入する背景には、Meta全体の広告収益拡大の狙いがあることは誰の目にも明らかだ。Metaの2024年第3四半期の広告収益は39.9億ドルに達し、前年比での増加している。一昨年の不調からは完全に回復していると言えるだろう。
広告事業会社のMetaにとっては、Threadsが広告メディアにならなければ意味はない。しかし、同じXの代替を狙う、他の競合するプラットフォーム、例えばBlueskyなどは、広告なしのクリーンな見え方を維持しつつユーザー数を拡大している。これと、比べるユーザーがいるかも知れない。だが、Xにしても他のSNSプラットフォームにしても広告メディアだ。
Threadsを単なるソーシャルプラットフォームから収益性の高い広告メディアに一刻も早く変えたいのが、Metaの戦略だろう。Instagramで培った高度なターゲティング技術をThreadsでも活用し、ユーザーの関心に基づいた効果的なキャンペーンを展開できるようにシステムを整備して広告主にアプローチするのだろう。
Threadsは、3億ちかいユーザーがメディアだから、来年以降のMetaの大幅な売り上げ増が見込まれる。トランプ再選で、Xからの移行も報道されているが、Threadsについての情報はまだない。ユーザーが増えるのかどうかは分からない。広告メディアとしてはやはり数とその属性データが命だ。それは、今の段階ですでに達成されているとみて良いだろう。
問題は広告主の反応だ。広告主がThreadsの広告に関して慎重な理由があるとすれば、Threadsのターゲットオーディエンスの不明確さ、プラットフォームの将来性への不確実性、ユーザーエクスペリエンスへの広告の影響などがあるかも知れない。しかし、それはInstagramの広告ユニットが、セット販売やInstagramによるプロモーションなども含めて解決するのだろう。最近は、SNSを見ないが、唯一たまに写真投稿のために開くInstagramには、Threadsのプロモーションが多い。