2024年の世界のモバイルアプリ市場は、ダウンロード数こそ減少したものの、消費支出は増加し、力強い成長を続けているようだ。Appfiguresが発表したデータによると、AppleのApp StoreとGoogle Playを合わせたアプリの消費支出は、前年比15.7%増の1,273億ドルに達した。Google Playは支出減少をしたが、App Storeが大きな成長をしたことで市場としては成長したようだ。
一方で、アプリのダウンロード数は、両ストアで減少傾向が見られ、2024年は約1,097億件と、前年の1,123億件から2.3%減少している。
収益増加の要因 サブスクリプションモデルの成熟
Appfiguresによれば、ダウンロード数の減少にもかかわらず収益が増加した要因として、アプリ市場の成熟と、アプリ開発者によるサブスクリプション収益化への注力が挙げられている。Appfiguresのレポートによると、2024年のApp StoreとGoogle Playのアプリ収益の48%は、サブスクリプションによるものだった。
これは、ユーザーがアプリに継続的に価値を見出し、料金を支払うことに抵抗がなくなってきたことを示唆している。また、開発者側も、無料アプリに広告を表示する従来の収益モデルから、安定した収益源となるサブスクリプションモデルへと移行しつつあ流ということなのだろう。
ダウンロードランキング Instagramが首位、TikTokが消費支出でトップ
2024年、世界で最もダウンロードされたアプリはInstagramだった。一方、消費支出ではTikTokが最大のシェアを占めました。TikTokは、その中毒性のあるショート動画コンテンツでユーザーを惹きつけ、アプリ内課金や広告を通じて巨額の収益を上げている。アメリカでの禁止の可能性がある中で、TikTokの2025年はどうなるのだろうか。
興味深いのは、Appleが発表したApp Storeの無料アプリダウンロードランキングで、Temuが首位を獲得したことだ。Temuは、中国発のECプラットフォームで、低価格な商品を幅広く取り揃えていることで人気を集めている。ただし、安いだけ会って、その品質などについては評判が悪い。また、Threadsが3位から2位に、TikTokが5位から3位にランクアップするなど、ソーシャルメディアアプリの勢いが目立つ。
今後の展望
スマホ時代にあってモバイルアプリ市場は、今後も成長を続けると予想される。そして、サブスクリプションモデルはさらに進化し、ユーザーにパーソナライズされたサービスやコンテンツを提供する方向へと進んでいくのだろう。また、Apple、Google、そして新たに台頭するプラットフォーム間の競争も激化し、ユーザー獲得のための新たな戦略が展開されることも予想される。
さらに、AI技術の進化は、アプリ市場に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。ChatGPTがApp Storeの無料アプリランキングで4位にランクインしたことは、AIを搭載したアプリへの関心の高さを示している。今後、AIはアプリの開発、マーケティング、ユーザーエクスペリエンスなど、あらゆる側面に影響を与えていくことになるだろう。