Adobeが、AI技術を活用した新しいビデオ生成サービス「Firefly Video Model」を発表した。
Firefly Video Modelは、AdobeのクリエイティブAIツール「Firefly」の一部として開発された、商業利用可能なAIビデオ生成モデルだ。Fireflyはこれまで、画像やベクターの生成機能を提供してきたが、今回新たにビデオ生成機能が加わることで、マルチモーダルなクリエイティブツールへと進化したということのようだ。
このモデルは、テキストプロンプトを入力するだけで、短いビデオクリップを生成することができる。例えば、「朝日を浴びる雪山の空撮映像」と入力すると、それに合った高品質なビデオが自動生成されるいうのだ。すでにOpenAIのSoraをはじめ、MetaのMovie GenやRunwayなど、多くのAIビデオ生成モデルがあるが、Adobeや著作権問題をクリアした、商業利用可能が売りだ。他のモデルも商業利用可能を謳っているが、現実は微妙な問題もある。
利用料金とプラン
Adobeは「Firefly Standard」と「Firefly Pro」という2つのプランを提供しており、これらはFireflyのプレミアム動画および音声生成機能へのアクセスを可能にする。価格は、Firefly Standard:は月額 $9.99で、Firefly Proは月額 $29.99。日本円は、これからわかるだろう。
これらのプランでは、無制限の画像・ベクター生成機能やプレミアム動画・音声機能(容量制限あり)が使える。Firefly Proになると機能が増えるようだ。さらに、大規模なプロジェクトや高ボリュームなコンテンツ制作に対応する「Firefly Premium」プランも近日中にリリース予定だという。
Adobe Creative Cloudを契約しているので、一部機能が使えるようだが、これはFirefly Standardが使えるということなのだろうか?多分、Firefly Standardが含まれるのかもしれない。
Firefly Video Modelの主な機能
- 高品質なビデオ生成
- プロフェッショナル品質の1080p解像度で動画を生成。
- Adobe Stockのライセンス済みコンテンツを活用し、商用利用可能な素材を提供。
- 直感的な操作性
- テキストプロンプトを入力するだけで、即座にビデオを生成。
- キーフレームを設定し、開始点と終了点をカスタマイズ可能。
- Adobe Creative Cloudとの統合
- Photoshop、Illustrator、Premiere Proとの連携が可能。
- 生成したビデオを直接Adobeのツールに取り込んで編集。
- 多言語対応の音声翻訳とリップシンク機能
- 動画の音声を20以上の言語に翻訳し、元の声のニュアンスを維持。
- 企業向けには、翻訳後の音声と映像のリップシンク機能を提供。
AdobeのFirefly Video Modelは、Metaの「Movie Gen」やOpenAIの「Sora」といった他のAIビデオツールと比較して、以下の点で優位性を持っているとAdobeは言っている。
- 商用利用に最適化
- Firefly Video Modelは、Adobe Stockのライセンスコンテンツを利用することで、著作権の問題を回避しながら、安全に商用利用できる点が強み。
- クリエイティブワークフローの一貫性
- Adobe Creative Cloudとの統合により、生成したビデオをスムーズに編集・加工できるため、制作の流れが途切れることない。
- 多彩な表現力
- 2D/3Dアニメーションの生成が可能。
- 天候エフェクトや動物の動きをリアルに再現。
- ダイナミックなカメラワークの設定ができる。
AdobeのFirefly Video Modelは、商用利用の安全性、Adobeツールとの連携で他のサービスと差別化できるだろう。問題は、映像のクオリティだが、これは見てみなければ分からない。画像生成のFireflyは著作権の問題はないということだったが、Midjourneyなどと比べると、明らかにクオリティが低かったので結局は使っていない。今後、Firefly Video Modelがどの程度なのか、SoraやRunwayと同等の映像を生成できるのか。すべては、そこにかかっている。