スマホの市場はAppleのiOSとAndroid陣営の会社が争っている。一般論としてAndroidは、常にiOSより高度な機能を搭載することが多い。今回、Androidに「リアルタイム詐欺メッセージ検出」と「ライブ位置情報共有」機能が搭載された。リアルタイム詐欺メッセージ検出は、iOSの同様の機能よりも高度で洗練されている。これが、Androidをさらに賢く、そして安全なものへと進化させるだろう。
1. リアルタイム詐欺メッセージ検出
スマホには、様々な方法で詐欺メッセージが送られてくる。便利なスマホだが、これが最大の頭痛だ。見覚えのない番号やメアドから送られてきたメッセージは巧妙な手口で、個人情報や金銭を騙し取ろうとする詐欺メッセージだ。
最新のAndroidアップデートでは、GoogleメッセージにAIを活用した「リアルタイム詐欺メッセージ検出」機能が搭載された。この機能は、メッセージの会話パターンをAIが解析し、詐欺によく見られる特徴的なパターンをリアルタイムで検知する。
例えば、以下のようなケースで、この機能が役立つ。
- 緊急性を煽るメッセージ 「アカウントがロックされた」「至急、個人情報を入力してください」など、焦りを誘う言葉遣い。
- 不自然な日本語 翻訳ソフトを使ったような、ぎこちない日本語。
- 個人情報を聞き出す質問 生年月日、クレジットカード番号、パスワードなど、重要な情報を尋ねるメッセージ。
- 金銭を要求するメッセージ 振込を促したり、電子マネーの購入を要求したりするメッセージ。
これらの特徴的なパターンを AIが検知すると、Googleメッセージはリアルタイムで警告を表示し、メッセージのブロックや通報を促す。これにより、詐欺の被害に遭う前に、適切な対処を行うことができる。iOSもセキュリティ機能はあるが、フィルタリングで差出人不明を検知したり、スパムメールを特定するだけで有効な方法ではない。CallKitフレームワークを活用し、スパム通話やメッセージを自動的に検出してブロックする仕組みも提供されているが、決定的に有効とも思えない。これに比べると、使っていないから分からないが、発表を読む限りでは「リアルタイム詐欺メッセージ検出」はAIを使った洗練されたもののようだ。
また、「リアルタイム詐欺メッセージ検出」は、デバイス上で処理されるため、メッセージが外部に送信されることはないということだ。プライバシーを重視した仕様だ。
2.ライブ位置情報共有
今回アンドロイドが発表したライブ位置情報共有については、既にiOSでも使われているものと、発表を読む限り大きな違いはないと思われる。今後もう少し情報が分かり大きな違いがあったときにまた記事にしようと思う。
今回のアップデートで導入された「リアルタイム詐欺メッセージ検出」は、Androidをさらに安全で便利なものへと進化させるだろう。これらの機能を活用することで、詐欺の被害を防ぐことができるなら喜ばしい。これから共有されるであろう、使用感や有効性のレポートを待ちたい。
また、マーケティングの視点からは、「リアルタイム詐欺メッセージ検出」が有効なら、iPhoneが独占している安全性やプライバシー重視のイメージに風穴を開けて、ユーザーの安心感を高め、Androidのブランドイメージ向上に貢献するかもしれない。特に、プライバシーを重視するユーザー層にとって、これらの機能は大きな魅力となる。もちろん、有効だったらという前提だが。