2024年、日本の定額制動画配信(SVOD)市場は前年比4.1%増の5,262億円に達したが、成長率は鈍化している。だが、U-NEXTは市場全体の停滞にもかかわらず、前年比+2.7ポイントのシェア拡大を達成し、17.9%の市場シェアで2位を維持した。これは、2023年に「Paravi」と統合した影響や豊富なコンテンツも要因と分析されている。定額制動画配信市場では、健闘している唯一の日本企業だから喜ばしい。
定額制動画配信(SVOD)サービスの国内市場におけるサービス別シェアを推計したところ、24年はNetflixが21.5%(前年比-0.4pt)と最大シェアを占めました。3年連続で前年比減となりましたが、19年以降TOPを維持し、これで6年連続の首位獲得となります。
次いでシェアを占めたのはU-NEXTで、17.9%(前年比+2.7pt)を獲得しました。同サービスは、22年に[Prime Video(Amazonプライム・ビデオ)を抜いて2位に浮上。23年は7月以降Paraviとサービス統合をしたことも影響し、シェアの拡大がさらに進みました。そして24年は市場全体の成長が停滞するなか、前年比で唯一1.0pt以上伸長したサービスとなりました。
GEM Standard
U-NEXTの特徴と差別化ポイント
U-NEXTの好調を裏付ける、いくつかの差別化ポイントがある。
豊富な作品数
U-NEXTは約32万本以上の動画を配信しており、映画、ドラマ、アニメなど多彩なジャンルを網羅しています。また、国内ドラマやバラエティも強化されており、Paraviとの統合後はさらに充実しました。これは、他社との比較でも数の優位差と言える。
スポーツコンテンツ
イングランド・プレミアリーグなど人気スポーツの独占配信が売りだ。専用パック(月額2,600円)を提供し、スポーツファンの支持を集めています。Jリーグの独占のDAZNでは、プレミアリーグは見られない。サッカーファンには、重要なサービスだ。
月額料金とポイント制度
月額料金は2,189円(税込)と他サービスより高めだが、毎月1,200円分のポイントが付与される。このポイントは新作映画や電子書籍購入に使用可能で、実質的なコストパフォーマンスを向上させている。
ファミリー向け機能
最大4つまでアカウントを作成できるため、家族全員で利用可能。これにより、一人当たり約500円で利用できる計算になる。一人当たりとしては、Amazon Prime Videoに匹敵する価格だ。
以上のように、U-NEXTがシェア拡大に成功した背景には、コンテンツ充実度が挙げられる。国内外問わず幅広いジャンルを網羅し、多様な視聴者層に対応しているからだ。だから、他社より高い月額料金ながらも、豊富な特典や高品質なコンテンツでユーザー満足度を向上させているようだ。また、雑誌読み放題やスポーツライブ配信など「売り」がある。
報道では、2025年以降もU-NEXTはさらなる会員数増加と収益拡大が期待されている。それを実現するためには、プレミアリーグを含めたスポーツや最新映画など独占コンテンツの強化が鍵となるだろう。