DuckDuckGoは、プライバシー重視の検索エンジンとして有名で試したことはあるが、プライバシーを考えてこなかったことと、それと、つまらない理由だが名前のために積極的に使ってこなかった。だが、DuckDuckGoがAI分野に参入するというニュースを聞いてDuck.aiを試してみた。
試してみると使いやすいしスピードも速い。しかも無料だ。使うAIサービスの一つとしてラインアップに加えた。現時点で課金してるのは、PerplexityとGeminiで、ChatGPTは止めた。Perplexity ProとGemini Advancedと、無料版ChatGPTとDuck.aiを比べてみたが、予想をはるかに超える完成度に驚いた。
選べるAIモデルと徹底したプライバシー保護
Duck.aiの最大の特徴は、複数の大規模言語モデル(LLM)を自由に選択できる点にある。GPT-4o mini、o3-mini、Claude 3といった商用モデルに加え、Llama 3.3やMistral Small 3といったオープンソースモデルも利用可能だ。これは、Perplexityと同様に、ユニークな点だ。
さらに、DuckDuckGoのプライバシー保護の理念は、Duck.aiにもしっかりと受け継がれている。ユーザーのクエリは匿名化され、第三者にアクセスされることはない。「チャットは非公開で、保存されたり、AIモデルのトレーニングに使用されることはありません。」と表示されているために安心してAIを使える。
使えるAIモデル
- OpenAI の GPT-4o mini
- OpenAI の o3-mini
- Anthropic の Claude 3
- Meta の Llama 3.3
- MistralAI の Mistral Small 3
これにより、ユーザーは自分のニーズや目的に合わせて最適なモデルを選択できる。例えば、GPT-4oはリアルタイムの対話や感情分析に優れている一方、Llama 3.3は画像認識や視覚的理解タスクに強みを持っている。
簡単な使用勝手
登録など手続きもなくすぐに使える。使い方は以下のとおり簡単だ。
- ブラウザでDuck.aiにアクセス
- 「開始する」をクリック
- 利用規約に同意
- 使用したいAIモデルを選択
- チャットを開始
これだけだ。インストールやアカウント作成は不要で、すぐにAIを使える。どのブラウザでも利用可能なので手間が簡単だ。
プライバシー保護の徹底
- すべての検索クエリはDuckDuckGoによって匿名化され、第三者がAIチャット履歴にアクセスすることはない。
- チャット履歴はローカルにのみ保存され、サーバーには保存されない
- 個人のメタデータはチャットから削除され、ユーザーと紐づけることができない
- プロバイダーに提供されるデータも制限され、30日以内に削除される
- 「最近のチャット」機能を無効にすることで、何も保存されないようにすることも可能
完全無料で利用可能
Duck.aiは完全に無料で利用できるサービスだ。アカウント作成も不要で、ブラウザからすぐにアクセスして利用を開始できる。
マーケティング視点からの分析
Duck.aiはターゲット市場の明確にしている。Duck.aiは、プライバシーを重視するユーザーをターゲットとしており、この点で他のAIサービスとの差別化に成功している。特に、自分のデータが第三者に利用されることを懸念するユーザー層にとって、魅力的な選択肢となっている。
競合優位性
AIチャット市場では、ChatGPT、Claude、Perplexityなど多くのサービスが競合しているが、Duck.aiは以下の点で優位性を持っている。
- 複数モデルの選択肢 一つのプラットフォームで複数のAIモデルを利用できる
- プライバシー保護 匿名化されたクエリと厳格なデータ保護
- 無料アクセス アカウント登録不要で無料利用可能
- シンプルさ 直感的なインターフェースと使いやすさ
Duck.aiは現在、テキストベースの対話のみだが、将来的には画像生成や音声認識などの機能が追加されるかもしれない。また、DuckDuckGoの検索エンジンとの統合をさらに強化することで、検索とAI対話のシームレスな体験を実現することも期待される。そう考えると、GoogleがGoogle検索の未来に危機感を持っているのと同様にDuckDuckGoも危機感があるのだろう。