OpenAIの話題を2つ。
まず、OpenAIのサム・アルトマンCEOが、GPT-4oのアップデートを発表してから48時間も経たないうちに、ChatGPTが「おべっか使いで、うっとうしい」状態になっていると述べた。X(旧Twitter)に投稿された内容によると、GPT-4oの性格に関する修正が「早急に」行われる予定であるといことだ。回答が、明らかに偏ったものになるように調整されてしまったらしい。それは、ユーザーが何を言ったとしても、チャットボットの返答は一律にユーザーを褒め称えるようなものだったようだ。
これ以外に話題になったのは、ChatGPTのショッピングサポート機能だ。従来のオンラインショッピングの大きく変えるような機能だ。
ChatGPTショッピングサポートの概要
OpenAIは、ChatGPTのウェブ検索機能を大幅に改善し、AIチャットボットをショッピングのための強力なツールへと進化させるそうだ。これまでもユーザーはChatGPTを使って商品調査を行っていましたが、最新の価格情報や視覚的な商品画像を簡単に確認することができなかった。
2025年4月28日に発表された最新アップデートにより、ChatGPTでのショッピング体験は一変した。商品の検索から比較、そして購入までの一連のプロセスをChatGPT内で完結できるようになった。それは、商品の表示機能で、画像、価格、星評価などが見やすいフォーマットで表示されるようになっているようだ。
ChatGPTショッピング機能の仕組み
ChatGPTのショッピング機能は、ユーザーが自然な会話形式で商品を検索できる点が大きな特徴です。「2万円以下の小さなキッチンカウンターに適した、ラテを作るのに最適なエスプレッソマシンを教えて」といった具体的なリクエストをすると、ChatGPTは関連する上位3つの商品をピックアップし、製品カードと詳細な説明テキストを表示する。
この新機能により、ChatGPTはECサイトから実際の価格データを取得し、最新の情報に基づいた回答を提供できるようになった。OpenAIは複数のパートナーと連携し、正確な価格情報を表示するようにするということだ。
製品カードとサイドバー表示
製品カードをクリックすると、Googleショッピングに似たサイドバーが表示される。このサイドバーには、商品の購入先や、Amazon、Best Buy、Redditなどのサイトからのユーザーレビュー情報が表示される。OpenAIは、ユーザーが慣れ親しんだ方法で価格や画像などの構造化された情報を見ることを好むという認識に基づいて、この表示形式を採用したという。
さらに、製品カードには「この商品について質問する」というボタンも表示され、クリックするとその特定の商品についてChatGPTに質問することができる。これにより、購入前に商品の詳細情報を深く掘り下げることが可能になりっているようだ。
ショッピングをサポートする便利な機能
1. 買い物リストの自動作成
ChatGPTの便利な機能の一つに、買い物リストの自動作成がある。例えば「今週の献立に必要な食材リストを作ってください」と指示するだけで、自動的に買い物リストを生成してくれる。
さらに、音声入力機能を使えば、話しかけるだけでリストを作成することも可能だ。「シャンプーと牛乳と卵」と話しかけるだけで、それらがリストに追加されるなど、非常に直感的な操作が可能だという。
2. パーソナライズされた商品提案
ChatGPTは過去の購入履歴や嗜好に基づいて、ユーザーに最適な商品を提案する。例えば「最近購入したスニーカーと似たデザインの商品を教えてください」と尋ねれば、関連商品がすぐに表示される。
この機能により、ユーザーは自分で何時間も商品検索をする手間が省け、自分好みの商品を効率的に見つけることができる。AI記憶機能が強化された最新バージョンでは、過去の会話を記憶し、よりパーソナライズされた応答が可能になる。
3. 価格比較と在庫管理
買い物中に「この商品は他店でもっと安く売っているかもしれない」と思うことはよくあるが、ChatGPTはそんな時にも役立つ。価格比較や在庫状況の確認が簡単にできるようになる。
特定の商品名と地域を指定すれば、ChatGPTは現在最も安い店を教えてくれる。これにより、お得に買い物ができるだけでなく、在庫管理についてもAIがリアルタイムで監視し、不足しそうなアイテムがあれば通知してくれるサービスも登場するようだ。
Shopifyとの統合と未来の買い物体験
OpenAIはShopifyと提携して、ChatGPTに電子商取引機能を直接導入する計画を進めているという。この新機能により、ユーザーは会話を中断することなく、製品を閲覧、問い合わせ、購入することができるようになる。
Shopifyとの統合が実現すれば、ChatGPTのチャットウィンドウ内で直接商品カードが表示され、詳細情報が提供されるようになる。
- リアルタイムの価格情報
- カスタマーレビューと評価
- 配送オプションと配達予定日
- 「今すぐ購入」ボタンによる即時購入機能
重要なのは、取引プロセスがすべてChatGPT内で完結し、ユーザーがサードパーティのウェブサイトにリダイレクトされる必要がなくなる点だ。つまり、OpenAIが販売を行わないが、ChatGPTがショッピングサイトのようになるということだ。
ChatGPTのショッピング機能強化は、オンラインショッピングの概念を大きく変える可能性がある。例えば「初心者向けの一眼レフカメラで、風景写真に適した機種は?」といった専門知識が必要な質問にも、わかりやすく回答するし、「このノートパソコンが2万円以下になったら教えて」というリクエストにより、価格監視を自動化することもできる。
ChatGPTのショッピング機能は消費者行動に大きな変化をもたらす可能性がある。これまでの「検索→比較→決定→購入」という直線的な購買プロセスが、より対話的で有機的なものに変わる。ChatGPTを使った新しい買い物体験は、テクノロジーとショッピングの融合による次世代の消費スタイルの先駆けとなるかもしれない。