2022年のGoogleの第3者クッキーのサポート中止や、すでに有効になっているAppleのiPhoneでの第3者クッキーの完全ブロックと言う状況を受けて、インターネット広告の有効性を維持していくための様々な方法が開発されている。
新しい動きが2つあった。マーケティングに常に先進的な技術を取り入れているP&Gは、同社にとって2番目に重要なマーケットである中国において、iPhoneでターゲット広告が引き続き可能になる技術を開発中だ。この開発には、P&Gだけではなく、たくさんのパートナーと組んだものだ。TikTokの親会社のバイトダンス、BATの一角のテンセント、中国広告協会、デロイト、プライス・ウォーターハウス・クーパーズやニールセンと言う有力企業・団体が参加している。AppleのITPを回避して、特定したiPhoneに広告を配信する技術おようだ。
ただし、ITP回避する技術が開発されたとしても、そのアプリを配布するためには、App Storeを経由しなければいけないので、AppleはApp Storeの規約や条件により、これを不可能にしてしまう可能性もある。まだ具体的な内容がよくわからないのでもう少し注目していく必要がある。
もう一つの動きは、ポストクッキー時代の新しい技術として開発されているTradeDeskのUnified ID 2.0だ。 世界のメガエージェンシー三位のピュブリシスが参加すると言うニュースが昨日出ていた。Unified ID 2.0には、Googleはすでに不参加を表明しているが、ピュブリシスが参加すると言うことで、Unified ID 2.0の利用者が一段と拡大する可能性がある。
ただGoogleの動きによって、これが業界の標準になっていくかどうかは、まだまだわからない。スマートフォンのユーザのプライバシーを確保しつつ、インターネット広告のターゲティングの精度を維持していくための方法は広告業界の盛衰を決する。だから、広告、テクノロジー業界の各社は、今後ますます開発に力が入ってくるだろう。ただ最終的には、iPhoneを握るAppleと、Androidを握るGoogleがどのように動くかによって大きく変わることが予想される。