GmailのAI化

by Shogo

Gmailを20年以上も個人のemailアドレスのメインに使ってきた。最近は、Appleの@me.comと@icloud.comをなるべく使うようにしているが、20年も歴史があると、全面的に移行は難しい。

だから、毎日Gmailを見ることになる。無駄なプロモーションメールを解約しているが、それでもまだまだメールはたくさん来る。

だから受信箱を見るだけで少し疲れてしまうことがある。そこで、GoogleがGeminiでGmailをAI化するというニュースは大歓迎だ。今回のAIアップデートは、これまでのGmailを大きく変えようとしているそうだ。受信箱をメールを読む場所から今日やることの段取りを出してくれる場所に変えようとしている、と、読んだ記事中では評されていた。

1) 「AI Inbox」メールをタスクに変える、新しい受信箱

テストされている新しい機能「AI Inbox」は、ふつうの時系列の一覧とは別に、画面の上に Suggested to-dos(やること)、下に Topics to catch up on(追うべき話題)を出す新しい表示だ。請求書の支払い、予約の確認、返信が必要なメールなど、「行動につながる部分」だけを抜き出して見せるイメージ。まずはアメリカの一部ユーザーから試され、必要に応じて今までの表示に戻すこともできるという。

ポイントは、単に「分類する」だけでなく、「どれを先にやるべきか」にも踏み込んでいるところだ。よくやり取りする相手や、返信までの時間といった情報をもとに、「今やるべきメール」を上に出す。一方で、現時点ではAI Inboxの中で「このタスクは完了」とチェックしてしまうような機能は十分ではないとも書かれていた。やることの「入口」は手伝うが、「もう気にしなくていい」と忘れて任せる使い方には、まだ弱いようだ。

2) 検索は「探す」から「聞く」へ AI Overviews in Gmail Search

次の大きな変化が、Gmail検索に入る AI Overviewsだ。これまでは、キーワードを工夫しながら「それっぽいメール」を探しにいくのがふつうだった。しかし、これからは「去年リフォームの見積もりをくれた電気店は誰?」のように、ふだん話すのと同じ文章で聞ける方向に寄せてきている。受信箱は「検索する場所」から、チャットAIのように「質問に答えてくれる場所」に近づきつつある、と言えるかもしれない。これは便利だ。いつもoutlookのメールの検索の弱さに閉口してしている状況と比べると天地ほど違うかもしれない。

ただし、この「質問→答え」をしてくれる機能が、すべての人にすぐ無料で開放されるわけではないようだ。公式の説明や記事を読むと、このAI検索は段階的に提供され、上位プラン(Google AI Pro / Ultra)に入っている人ほど、より強力な機能を使えるようだ。メールの「探し方」そのものの変化が、料金プランの違いにも関係するサービスという位置付けのようだ。Google AI Proを契約しているので、日本で公開されたら試してみたい。

3) 「書く」をGmailの中で完結させる Help Me WriteとProofread

今回のニュースで、GmailのHelp Me Write や文脈に合わせた Suggested Replies が、アメリカでは個人ユーザーにも無料で広がり始めているようだと。これは、アメリカだけなのか日本でもそうかは分からない。少なくとも個人的には使っていない。

アメリカで使われる理由は、メールは1通1通が面倒というより、「似たような返信を何度も書くこと」で人を疲れさせるから使う人が増えるのだろう。そこに「要点だけ入力すれば、下書きをAIが書いてくれる」機能が標準で入ると、時間と手間が大きく省ける。

一方で、上位プラン向けの目玉として出てくるのが Proofread 機能だ。これはスペルミスだけを見るのではなく、文章のわかりやすさ、短くできるところ、言葉づかいの自然さなどまでチェックし、本文の中に点線の下線で提案を示すという。これまで 英語ではGrammarly のようなサービスが担ってきた校正・文章の整えを、Gmailの中でやってしまおうとしているようだ。メールを書くこと自体が、別サービスに行かずにGmailの中だけで完結していく方向だ。これは、Googleがこれまでやってきたことの再現だ。他社が有料でやっていたことをGoogleが無料で提供して、そのビジネスを破壊する。

4) 便利さの裏側 精度・プライバシー・そして「AIだけ切れない」問題

ここからは、少し不安な側面だ。生成AIは、とてもそれらしく見える文章を書きながら、間違えることも多い。これは多くの人が経験しているだろう。Googleも「AIは間違えることがある」と前提に置いており、AI Inbox や AI検索を「正しい答えメーカー」としてではなく、「見落としを減らすための補助線」として使ってほしいというように発表に書いている。まだまだ、自信が持てないし、責任も持たないということだろう。

だから、この機能が日本でも使えるようになっても、AIの要約や答えはあくまで仮の答えとして受け取り、大事なところほど元のメールに戻って自分の目で確かめる姿勢が必要だろう。

プライバシーについては、受信箱の内容をAIの基礎モデルの学習には使わないということと、AI機能は任意でオン・オフできると説明されている。ただ、報道では、AI機能をオフにするには Smart features をまるごと切る必要があり、その結果、配送状況の自動表示やカレンダー連携といった、もともと便利だった機能まで一緒に止まってしまう可能性が指摘されていた。つまり、便利さは残したままAIだけやめたい人ほど、そこだけは選べないという使いづらさがある。

5) Gmailは「メールアプリ」から、生活全体のハブへ

少し大きな視点で見ると、AI Inboxの狙いは、単にメール処理を速くするだけではなく、人の行動設計そのものを受信箱を起点に組み替えることではないかと感じる。もしGamilを全てのコミュニケーションに使っていたら、受信箱には、請求、予定、買い物、家族、仕事の依頼など、生活のほとんどが流れ込んでくる。そこからAIが「やることリスト」と「追うべき話題」を自動で作れるようになれば、次はカレンダー登録、タスク管理、支払い、ショッピングなどへ自然に橋渡しできる。Gmailは、メールを読むアプリから、日々の行動を動かすOSに近づくことを目指しているようだ。

ただ、多くの人はGmailだけを使っていないから、その場合はGmailに転送して、全てをGmailで管理をするかどうかという判断だ。そこまで、全てをGoogleを預けて良いかどうか考えるのが先かもしれない。ともかく、個人的には全てをGoogleに預けているわけではないので、これらの機能が日本で使えるようになっても全部を使わない気がしている。つまみ食いさせてくれるようになればと願っている。

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